設計・施工を一貫して手掛けた中部地域最大級のデータセンター「ctcデータセンター名古屋丸の内」が竣工~「壁横吹き出し冷却方式」や「潜顕熱分離方式」などの最新技術を採用して省エネ化~

2013年11月28日
株式会社竹中工務店

(株)竹中工務店(社長:宮下正裕)が設計・施工を一貫して担当し、サーバー室壁面から冷風を送り込んで冷却する「壁横吹き出し冷却方式」や、湿度と温度の制御を別システムで稼働させる「潜顕熱分離方式」などの最新の技術を導入して省エネルギー化を図り、免震構造を採用した中部地域最大級のデータセンター「ctcデータセンター名古屋丸の内」(名古屋市中区丸の内)が2013年11月末に竣工します。

データセンターの信頼性や省エネ性能を高める技術は日進月歩で革新があり、工事期間中でも計画を変更して、最新の技術を導入することがデータセンターの競争力につながります。今回、当社が設計・施工を担ったため、お客様の省エネ要望に応え、実施設計期間中に「壁横吹き出し冷却方式」などの、当初設計よりもエネルギー効率の高い最新技術をスムーズに導入し、PUE※11.32以下という高い省エネ性能を実現しました。

  • ※1PUE(Power Usage Effectiveness)
    データセンターやサーバー室のエネルギー効率を示す指標の1つ。

■導入した省エネ技術の特徴

  1. サーバー室内の空調システム
    「壁横吹き出し冷却方式」+「ホットアイルのキャッピング」
  2. 「壁横吹出し冷却方式」
    壁面の吹き出し開口部から、コールドアイル部分に冷気を送風することで、従来の床下送風方式よりも弱い風速で十分な冷却効果を得ることが可能となり動力が低減できる。
  3. 「ホットアイルのキャッピング」
    サーバー室をホットアイルとコールドアイルと呼ばれる2つの空間に分離し、サーバーから排出される暖気と、送風機の冷気の導線を物理的に区画(キャッピング)。
  1. ビルの空調システム
    「潜顕熱分離方式」+「外気及びクールピット冷房」
  2. 「潜顕熱分離方式」
    除湿を行う潜熱処理システムと、冷却して温度を下げる顕熱処理システムを分離してエネルギーを効率化。
  3. 「外気及びクールピット冷房」
    外気をビル横から吸い込み、気温や湿度が一定の地下部分のクールピット(免震層を利用)を通してサーバー室へ送り込むことで冷却。
サーバー室パース

サーバー室パース

■当データセンターの立地条件について

当データセンターは、名古屋城の城下町であった名古屋市中心部の津波や液状化のリスクが低いとされる地点に位置します。また、名古屋中心部(官庁街、ビジネス街)のため、停電リスクの低い33kV特別高圧スポットネットワーク送電が地中ルートで提供されています。万が一の停電の際にも、自家発電機による48時間以上の電力供給が可能な上、災害時には早期の電力復旧が期待できるエリアとなっています

「ctcデータセンター名古屋丸の内」概要

名称 「ctcデータセンター名古屋丸の内」
所在地 名古屋市中区丸の内
建築面積 1,330m2
延床面積 9,660m2
規模/構造 10F P1 基礎免震/鉄骨造
用途 データセンター
工期 2012年9月~2013年11月

「ctcデータセンター名古屋丸の内」の開業は、2014年2月の開業を予定しています。

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