建設作業員に向けた「疲労軽減ウェア “職人DARWING(ダーウィン)” 」を開発~岡山大学で疲労軽減傾向を確認。ダイヤ工業株式会社より予約受付を開始~

2014年9月11日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)はダイヤ工業株式会社(社長:松尾正男)と共同で、建設作業員に向けた「疲労軽減ウェア “職人DARWING(ダーウィン)” 」を開発しました。
今回開発した疲労軽減ウェアは作業特性に合わせて上半身は3タイプ、下半身は作業特性に関わりなく1タイプです。上半身3タイプについては、補足資料に作業特性の参考例として技能職種を表記していますが、個人の疲労の違いにあわせ特性を考慮してご使用いただければ、技能職種に関わりなくすべての建設作業員の方にご使用いただけます。上半身・下半身セットで着用することで、全身のサポート機能を実現します。本製品は岡山大学大学院保健学研究科とダイヤ工業株式会社との共同研究において、ウェア着用時に疲労が軽減する傾向が認められています。
当社では、既に複数の作業所において作業員の方に実際に着用していただき、実作業後の疲労感の変化などをヒアリング調査しています。今後は、より多くの作業所に適用を拡大し、疲労軽減による建設作業の労働環境の改善を推進していきます。また、女性作業員向けのウェアも開発し、普及展開していく予定です。
本製品は本年9月11日より、ダイヤ工業株式会社にて予約受付を開始します(販売開始は今冬の予定)。

製品名 職人DARWING(ダーウィン)
製品タイプ
  1. Tタイプ : 腰・背中の筋肉をサポート
  2. Xタイプ : 肩の筋肉のサポート
  3. Xβタイプ : 肩の筋肉をサポート
    (作業内容によりサポート力を調整できる)
サイズ M ・ L・ LL
製造・販売元 ダイヤ工業株式会社
予定価格
(上下セット)
21,000円(税別)
予約受付開始日 2014年9月11日
(販売開始は今冬の予定)
予約および
問合せ先
ダイヤ工業株式会社
Tel:086-282-1245

■製品の概要
本製品は、整骨院(治療院)用品で高いシェアを誇るダイヤ工業の展開する既存の機能性ウェアを建設作業用に応用したものです。当社は、建設作業員がおこなっている作業動作、日常的に疲労や痛みを感じる箇所を調査・分析し、サポートすべき作業姿勢や筋肉部位を定めました。それらの分析結果を踏まえ、ダイヤ工業と共同で建設作業員の疲労を軽減する全身ウェアの研究開発を推進してきました。
コンプレッションによるスパッツ機能の深層筋(インナーマッスル)サポートと、表層筋(アウターマッスル)サポートを最適に組み合わせたダブルサポート構造で疲労軽減に寄与します。

*詳細については、補足資料をご覧ください。

■製品開発の背景
建設作業所では作業による身体的負担が技能工の慢性的な腰痛や、生産性の低下につながるという課題があり、従来、これらに対応するためには建設作業員本人の悩みに応じてサポーターやコルセット類を装着することが一般的でした。こうしたなかで、全国に約330万人いる建設作業員の身体的負担を軽減し、労働環境を改善していくことが求められています。

*詳細については、補足資料をご覧ください。

■岡山大学とダイヤ工業株式会社との共同研究データ
本共同研究では、成人男性15名(うち11~14名で有効なデータ取得)の被験者に疲労軽減ウェア着用・非着用の2つの条件で、3種類の建設作業を模擬した動作を行っていただき、全身の複数の筋肉の筋電位を計測しました。
取得した筋電位データを解析した結果、サポートする筋肉の筋電位が『統計的有意に低下した(楽になった)』被験者と『低下傾向にある(楽になる傾向にある)』被験者とを合わせた割合が約54~79%となり、本製品によって疲労が軽減する傾向が認められました。

予約・販売・製品等に関するお問い合わせ先
ダイヤ工業株式会社 tel: 086-282-1245

補足資料

■製品の特長

製品タイプ サポート機能 該当部位 ラインイメージ 参考技能職種
職人DARWING

Tタイプ
《腰・背中をサポート》
前かがみ・中腰作業、
床面施工などが楽になる
土工
左官工
床仕上げ工 など
職人DARWING

Xタイプ
《肩をサポート》
ものを持ち上げる・
支える動作、壁面施工
などが楽になる
鳶工
大工
鉄筋工 など
職人DARWING

Xβタイプ
《肩をサポート》
作業内容に応じて
Xタイプのサポート力を
調整できる
軽鉄ボード工
塗装工
電工 など
下半身タイプ 《脚全般をサポート》
長時間の立ち仕事、歩行、
階段昇降、膝の屈伸などが
楽になる
  1. 上半身とセット
    (全タイプ共通)
  1. 1.蓄熱・放熱機能を持つ素材により、一年を通して快適に着用できます
    通気性と保温性がともに優れた素材を使用し、余分な熱を放出し、必要な熱を保持することができます。夏場など汗をかいて濡れてもすぐに乾いて体表面温度の上昇を防ぎ、寒い冬場には自分の体温で温かさを保ちます。
  2. 2.良い姿勢を保持し、作業特性にあわせて筋肉をサポートします
    全身一体構造によりバランスの良い姿勢を保持することで、肩甲骨の可動範囲が拡大して腕が動かしやすくなるとともに、腰痛を緩和します。また、異なるサポート機能をもつ3タイプから、作業特性や好みに適したウェアを選択いただくことで、背中や肩など、特に疲労を感じやすい筋肉を重点的にサポートします。
  3. 3.長時間の立ち仕事や階段昇降も楽になります
    第二の心臓と呼ばれるふくらはぎを段階的に圧迫することで、血液循環を促し、疲労物質である乳酸の蓄積を防ぐことが期待できます。むくみや疲労を防いで長時間の立ち仕事をサポートするとともに、階段昇降や材料運搬など作業所内での移動が楽になります。
  4. 4.前開き構造でトイレをスムーズに
    前開き構造の採用により、作業中にウェアを脱ぐことなくスムーズにトイレにいくことができます。また、開脚動作も楽におこなえます。
    (竹中工務店・ダイヤ工業にて特許出願中)