車や人に踏まれても枯れにくく歩行し易い路面緑化システム「ハニカムグリーン」を開発

2016年5月17日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)、竹中土木(社長:竹中康一)、竹中道路(社長:藤本庄二)、クレアテラ(代表取締役:柳田友隆)の4社は共同で、車や人に踏まれても枯れにくく歩行者や車いす利用者が移動しやすい緑化システム「ハニカムグリーン」(特許出願済)を新たに開発し、技術研究所での実証試験を終了しました。
「ハニカムグリーン」は、芝生を踏圧や輪荷重から守る保護材ハニカムグリーンパネルと、芝生の健全生育に必要な保水性と透水性を兼ね備えた多孔質礫状土壌から構成された路面緑化システムです。これにより輪荷重により土壌が固まり芝生が枯れやすいという従来の問題点が解決されました。

近年、都市のヒートアイランド現象や郊外へのアーバンスプロールが問題視され、緑化による環境貢献を行う事例が増加しています。さらに新築時に必要な緑被率の確保や容積率緩和等のインセンティブを得るために緑地を増やす動きも加速しています。当社では従来の屋上緑化・壁面緑化技術に加えて、美観に優れ、利用者に優しく、駐車場等へ適用可能な路面緑化工法について新規技術の開発に取り組んで参りました。

今後は「ハニカムグリーン」を、競技場・工場・商業施設・立体駐車場の屋上部・遊歩道等、様々な施設への実用化をめざし積極的に提案していきます。

  1. 本開発は国土交通省の補助事業(先導的都市環境形成促進事業 先進緑化技術開発助成事業)として2013年12月~2015年3月にかけて行ったものです。
イメージパース
イメージパース

ハニカムグリーン概要

ハニカムグリーンパネル

ハニカムグリーンパネル

ハニカムグリーン模式図

ハニカムグリーン模式図

システム断面概要

システム断面概要

ハニカムグリーンの特長

  1. 1.構造的に強度が高い六角形のハニカム構造が上からの荷重を分散させることで車が乗っても壊れにくいパネル形状
  2. 2.パネル上面のハニカム構造の中に十字の仕切りを入れ、開口面積を小さくすることにより、歩行時の足裏にかかる圧やつま先やかかとのひっかかり、またベビーカー等小さな車輪が通行するときの安定性を改善
  3. 3.保水性・透水性に優れた十分な土厚の多孔質な礫状土壌をハニカムグリーンパネルとともに用いることで、原則潅水無し※1で健全な芝生の生育が可能※2
  4. 4.施工標準単価は約20,000円/m2※3(100m2以上を想定)
  5. 5.土厚の確保が難しい屋上緑化等を対象に、雨水・灌水の循環利用により上水使用量を削減する灌水装置有のオプションタイプを開発

今後の適用対象

  1. 1.競技場・工場・商業施設・アミューズメント施設・オフィス・学校・病院・立体駐車場等の、屋外・屋上駐車場
  2. 2.オフィスビル・商業施設の屋上や中間階の緑化
  3. 3.遊歩道・緑道・通路等、人やペットが通行する歩道部分
施工事例(技術研究所における実証試験)
施工事例(技術研究所における実証試験)
  • ※1適正な品質の土壌を用い15cm以上の土厚を確保した場合(ただし初期養生期間、および夏季の連続晴天日が20日以上続いた場合を除く)
  • ※2車の利用頻度や日照条件に合わせた施工範囲を決定した場合
  • ※3掘削・土壌改良等の土木工事を除く(その他各種条件により別途見積が必要)