平成27年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞について~疲労耐久性10倍の新合金と耐疲労制振ダンパーの開発~
2015年4月16日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(理事長:潮田資勝)、淡路マテリア株式会社(社長:三尾堯彦)と共同で行った「疲労耐久性10倍の新合金と耐疲労制振ダンパーの開発」において、平成27年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞しました。
受賞案件 | 「疲労耐久性10倍の新合金と耐疲労制振ダンパーの開発」 | |
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受賞者 | 櫛部淳道 | (株)竹中工務店 技術研究所 建設材料部先端材料グループ長 |
澤口孝宏(筆頭者) | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 元素戦略材料センター主席研究員 | |
丸山忠克 | 淡路マテリア(株) 顧問 | |
津﨑兼彰 | 九州大学大学院工学研究院 機械工学部門 教授 |
当社は今後とも、社会経済や国民生活の発展に寄与する技術を創出できるよう、一層の努力を重ねてまいります。
疲労耐久性10倍の新合金と耐疲労制振ダンパーの開発
地震エネルギーを熱に変換して吸収し、建物全体を地震から守る鋼材系の制振ダンパーは、繰返しの変形を受けるため、金属疲労に対する耐久性がダンパーの性能を左右します。今回受賞したダンパーは、一般的に制振ダンパーの素材として用いられている鋼材の疲労耐久性を約10倍に高めた新合金を用いた制振ダンパーです。耐久性、強度、延性、靭性に優れている新合金の開発・採用により、長周期・長時間地震動などで繰返しの変形を受けても安定した性能を維持し、建物の耐震性能の向上に大きく貢献します。
長周期・長時間地震動にも耐えられる本新型ダンパーは、名古屋駅前に建設中の地上40階建高層ビル、「JPタワー名古屋」の1~4階部分に計16基設置されています。近い将来発生が懸念されている大地震への備えとして、BCP(事業継続計画)の面から優れ、安心・安全な社会の構築に資する建物・技術を提供していきます。
科学分野の文部科学大臣表彰について
科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、科学技術水準の向上に寄与することを目的としています。
科学技術賞 開発部門
科学技術分野で顕著な功績をあげた者を対象に贈られます。なかでも開発部門は社会経済、国民生活の発展向上等に寄与し、実際に利活用されている(今後利活用が期待されるものを含む)画期的な研究開発若しくは発明を行った者を対象としています。