DESIGNWORKS Vol.10
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優秀賞WATER X日野宏二・安藤邦明・大竹佳世・甲斐淳一・鎌田裕樹・上村一貴・河合栄作・菊池卓郎・櫛部淳道・桑原悠樹・近藤直人・酒井道助・清水弘之・鈴木亨・張之�・塚本直子・西岡鉄夫・原田礼美・日下哲・堀良平・松井秀吉・森田隆・森田将史・山本誠・吉田幸正・由村智子(大阪本店)講評̶̶̶水をテーマにした提案が多かったのも今回のコンペの大きな特徴であった。この案は文字通り、水の可能性を多角的に追求して、アイデアを夢の新材料開発に統合・結集した。キーワードはバイオナノファイバー。それをベースにして新しい建築を提案している。高強度繊維材として主要構造体を形成するとともに、壁体の中を水が循環し、化学的に壁表面の汚れを除去し、日射や外気を透過させ、室内環境を制御する装置ともなる。また、水はエレベータの駆動力ともなり、建物を浮かして免震装置ともなる。このような物理的機能に加えて注目されたのは水の意匠性である。水がもたらす視覚的な変化、身体感覚の活性化に注目しているのも見逃せない。水と人間の多様な関係が「地球の蹲」としての建築という言葉に象徴されている。そのような人間の意識が水都大阪再興の基礎であるという主張にも説得力がある。(小玉)大阪御堂筋における次世代ワークプレイスの提案である。「都市の蹲(つくばい)」というコンセプトに基づき、新素材・最新技術を用いてアクティビティと連動した「水循環システム」を構築した。また、アクティビティが循環を促し、空間に変化を与えるこのシステムは、水特性の「見える化」を意図している。このように作り出された「人と水のインタラクティブな関係」こそ、水都大阪の再生に繋がるものと期待している。水が循環する様々なシーンをちりばめることで、不均質なスペースが連続する足下の水盤が都市に清涼感を与える水面にリバウンドする光様々な表情をもった光が内部へ取り込まれる水のたゆたうトップライト06Special Issue
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