DESIGNWORKS Vol.10
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三谷 徹(ミタニ トオル)/ランドスケープ・アーキテクト1960年 静岡県沼津市生まれ ハーバード大学大学院ランドスケープ・ アーキテクチュア修士修了 東京大学大学院建築学専攻博士修了1998年 造園学会賞2003年 グッドデザイン金賞2003年 千葉大学園芸学部助教授2009年 千葉大学園芸学研究科教授優秀賞杜と人のスリムな建築 -定禅寺通りをケーススタディとして-木下辰也・大川康晴・齋藤隆太郎・高橋伸一・高橋宜宏・津田康浩・西村栄二(東北支店)講評̶̶̶シンプルで明快、SF的でなく地に足が着き、すぐに実行可能にも思える。データによる立証に頼らずとも確かにいい環境が生まれそうだと思わせてくれる。とりわけすべてハンドドローイングによる問いかけに心ひかれた。応募者曰く、「PCに頼らない手作業が意外とECOなんです。」提案内容も本質的なところをついている。建築寿命と街並寿命の調整、ケヤキ並木への配慮などである。実際建築ファサードや路面からの熱輻射が樹木に与える負荷は年々上昇しており、提案の緑のフレームが建築のリノベーションや人に対してのみならず、既存の植生に対しても貢献することはすばらしい。加えて、提案が定禅寺通りというひとつの場所への愛情と理解から生まれた案であるということが、健全な環境意識をうかがわせてくれる。(三谷)「スクラップ&ビルトで環境負荷を高める」のではなく、「建築することで辺りの木が元気に育つ」という、建物と周辺環境の新しい関係を考えた。ケヤキ並木の美しい仙台の定禅寺通りに、葉緑素を組み込んで光合成を行う「生物外壁」を用いて、既存建物から1.5m迫り出した縁側のような心地の良い緩衝空間を提案している。杜にも人にも優しいこの建築が、時を経て拡がりを見せ、定禅寺通りを柔らかく覆っていく。07Special Issue

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