DESIGNWORKS Vol.15
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外付ルーバーに変わる内付ルーバー(外皮バルコニー)の設置WIND VOID老朽化オフィスRC構造耐震補強必要RC構造床の撤去減築による軽量化木の階段のある木のオフィス優秀賞ECO FARM住宅平瀬康夫・石井立樹・友井篤・岡村和哉・山口義弘塩坂英之(東京本店)1990年頃にまでに建設されたオフィスビルは竣工後20年が経ち、見直しの時期を迎えて いる。当時の外装の多くはシングルガラスで、性能の悪さを高機能な設備で補っていた。外皮性能の見直しを図り、オフィスビルの既存 建物の階高を有効に活用して、CO2排出抑制とペリメーターゾーンの熱負荷を低減し、風を感じるEco Farm住宅への転用を提案する。内付ルーバー(外皮バルコニー)を設置し夏場の 日射を遮り、冬の暖かい日射しを内部に送り込む中間領域を作る。ビルはバルコニーファームとして生まれ変わった外皮によってやさしく包まる、さらにWind Voidを新設することで、風の道を作る提案である。少子化・高齢化に伴う社会経済構造の変化、大量生産・大量消費文明からの転換、さらには量から質へ、新築からストックへという住宅市場を取り巻く環境の変化などを背景として、生涯健康、生涯現役社会の実現、低炭素化の推進を目標とした。優秀賞矩形の森Ⅱ 木のオフィスのある都市公園河合有人・長谷川圭一・井上憲一・山下義行(北海道支店)札幌市の中心部、大通公園に位置する事務所ビルの既存改修に対し、既存のRC構造のスラブを撤去し既存の架構に木構造の床を重ねる木造オフィス空間を増殖させるコンセプトモデルの提案である。北海道の地産地消となる「カラマツ間伐材」を構造材に活用し、北海道の林産資源と直結した省CO2を図る。セルフビルドによる改修を可能とする150×150断面の北海道産カラマツ間伐材を使った基本ユニットに、免震接合部による床パネル構造や外断熱木パネル工法による3Rに配慮した構造システムを組み込んだ。また、RC構造と木構造との隙間に空気が循環する空調システムを提案する。また、カラマツ間伐材を活用した高断熱木の外装により、小さな開口部と木のインテリアによる寒冷地ならではのオフィスが、新しい北国の街並みを発信する。Special Issue
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