DESIGNWORKS Vol.15
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最優秀賞Floating Ring成山由典・茂木剛・油川健樹・齋藤快行・松本朋之・安納貴尚(東京本店)講評———新木場の貯木場跡地は大学の卒業計画などでも人気のある敷地でどのような提案がされるかが楽しみであった。この土地が持つ歴史性を江戸時代に遡り考察していること、それを21世紀型の工場として再生させようとする点を高く評価した。知識、生産、環境の場として生まれ変わることが期待される。建築的な造形も面白く、パブリックからプライベートにいたる空間が良く計画されている。木をどのように活用するのかイメージが明確であった。また本提案の環境計画は具体的、精緻である。CASBEE評価やCO2削減効果などを具体的に定量的に評価しておりその結果を建築計画にうまくフィードバックしている。本施設の利用者を木材関係者に限定するのかそれ以外にも広げるかは議論の分かれるところであろうが、本チームはその前提が万が一変わっても充分対応ができる能力を持っていると思われる。(田辺 新一)江戸の昔から木材の町として栄えた新木場は今、空き倉庫が目立ち、分岐点に立っている。建物が海に面して貯木場を囲むように建物が並ぶ立地を活かし、個々の建物から張り出したデッキが繋がる事で地域単位でリノベーションを行い、つながる事で生まれる価値を生み出すことを目的とした、海上のリングを提案する。横に繋ぐことで個々の建物の耐震補強に加え、地域全体で持つ構造システムとし、また環境・設備的にもリングを用いたエネルギーのネットワークを提案する。その結果、CASBEE-S ランク、CO2削減42%を達成することができた。Special Issue

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