DESIGNWORKS Vol.17
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LIFE rail 鉄道沿線に自転車網を整備し、災害時にも冗長的に機能する都市インフラを構築する吉本一規・大江太人・Clay Anderson・小椎尾龍介(大阪本店 設計部)ハードなインフラに頼りすぎるあまり、災害時にもろさを露呈する現代社会。都市が粘り強く災害に応答するためには、より柔軟なインフラの創造が求められる。鉄道沿線に配された自転車のネットワークは、リニアなコミュニティを形成し、災害への社会的な抵抗力を醸成する。災害時には、ここが物資の 輸送・供給の拠点となるだけでなく、自然エネルギーを利用したエコシェルターとなり、避難者を受け入れる。[三浦展氏コメント] 有るものをうまく使うこと、隙間に何かをつくることに価値を見出すという私の持論に合致している。また一般市民がなじめる空間を提案している点が気に入りました。震災後の夜景を考える 震災後節電により変わった都市の夜景を限られたエネルギーの中で魅力的に再生する提案酒向昇・入江祥太・高橋健人・松原祐美子・末盛純子・新川隆将・久保知子(東京本店 設計部)2011/3/11 日本の夜景が変わった。煌々と照らされていた街から光が消え、本来想定されていた演出照明効果が得られないまま、節電と我慢が続いている。往来の都市の照明は明るすぎたという声も聞こえるなか、震災前の夜景へ戻ろうとするのではなく、限られた電力の中でより魅力的な夜景を生み出す都市の姿を提案する。都市の夜景を構成する広告や街灯、イルミネーションを街の共有電源につなぎ、総合的に制御する事で、エネルギーの共有化により都市の夜景を形づくる。それらを輪番点灯させることにより広告効果を高め、極端に暗い場所が発生しない効果的な制御を行う。限られた光は朝霧をモチーフとした霧の反射効 果により幻想的に増幅させる。縮小されたエネルギーの中、それでも都市の夜景は輝き続けるだろう。29Topic

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