DESIGNWORKS Vol.21
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NNこのように快適で魅力的なスタッフ環境を作っていますので、研修医も全国から多く集まってきています。同時に、病床利用率も高く、患者さんにも選ばれる病院となっています。良いスタッフが集まり、適切な医療を提供できることが、患者さんの満足度を上げるということなのでしょう。成長と変化———病院建築の大きな課題である成長と変化についてお考えをお聞かせ下さい。辻 時代の背景や需要もどんどん移り変わって行きますし、病院もそれに合わせて変わっていくことが求められます。成長と変化は病院建築の宿命であって、肝要なことは「どのように柔軟に対応していけるか」ということです。今まで、大空間架構やオープンエンド方式、中央に幹となる廊下を設けて、それに枝葉となる病棟や診療棟を取り付け、寿命が来れば取り壊して新しい棟を取り付けていくメタボリズム的手法である多翼型方式等が提案されてきました。なかなか決め手はないのですが、最近はある程度「成長」が落ち着いてきており、「変化」で対応する案件が増えてきています。免震装置の上に大架構を設ける事例が多く見受けられ、この手法により改修が容易で変化に対応しやすいものとなります。しかし一方、10年~20年先の医療すらどうなるか見えてこないので、できるだけ安く作って、10年~20年でスクラップアンドビルドする方が良いとする極端な意見の建築主が現れてきているのも事実です。病棟平面図1フロア2看護単位。1つの看護単位は、1つのSS(スタッフステーション)と周囲の4つのNS(ナースホール)で構成。北里大学病院 病棟プラン(設計:日建設計 実施設計協力・施工:竹中工務店)病棟平面図 S=1:1200 スタッフステーション ナースホール1フロア8看護単位。1フロアは8つのSS(スタッフステーション)とその中心のオープンカンファレンスで構成。伊勢赤十字病院 病棟プラン(設計:日本設計 設計協力・施工:竹中工務店) スタッフステーション オープンカンファレンスInterview

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