DESIGNWORKS Vol41
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Interview02本号は、日本の大都市がオリンピックを前に加速的に更新されていく昨今の流れを受け、新旧の街が変わっていく「再開発」をテーマに特集しています。本号では名古屋駅周辺の再開発をとりあげているため、リニアモーターカー新駅計画の都市環境デザインの委員をされている伊藤恭行先生にお話をうかがいました。 ー まずは本日ご覧になった金城ふ頭の駐車場、グローバルゲートの2作品について感想をお聞かせください。伊藤 最初に見せていただいた名古屋市が所有する金城ふ頭の駐車場ですけれども、率直に言って面白かったですね。いったい駐車場に何ができるのだろう、と気になっていました。ダイレクトスロープという、車のさばき方がそのまま建築になる視点がオリジナルの発想で、設計施工と運営がセットになったコンペ提案だったと伺いました。駐車場の建築は、ある規模が決まっていて、法規上もその通りに設計すると楽にできるようになってる。僕自身は駐車場ビルというのはそういうものだと思い込んでいて、あまり疑いを抱いていなかったところがありました。それを根本から疑うっていうのかな。とてもオリジナリティが高い計画だと思いました。二つ目に見せていただいたグローバルゲートは、低層部が非常に面白かったですね。世の中の高層ビルの足元は、どれも僕は不満があって、「出入り」ができないんですよね。ビルの足元ってテナントはいろいろ入っていて花屋とかブランドが顔出しているんだけど、出入りができないから、結局アクティビティとしては街にあまり貢献しない。グローバルゲートは、外から中へのアプローチ部分の両側についていて全部独立して入れるようになっているから、それは街のファサードになり得ると感じられました。特に歩行者レベルで直接街とインターフェースがつくれるところがいいなと思いました。まちとの関係性を考える 個々の再開発がどう都市に開かれているのかは街のファサードを変えていきますね。伊藤 グローバルゲートの中間階でテラス開口が全面開けられるようになっているところがあって、非常に興味深く拝見しました。現地を案内していただいた時にも運営はどうなっているか聞きましたけど、こういう仕掛けは建築の工夫だけではうまくはいかないところがあって、運用との間でうまく使われているかっていうのがポイントとなる。それはもう建築の宿命で、建築の仕掛けや工夫ですべて解決できるわけではない。設計とか建築ができることっていうのはそういう使い方の可能性を広げるような「場」を創ることだと思っています。それが仕込まれていてとても面白いなと。もっと突っ込んでいうと1階の外部に直接面したところなんかが多少ディテールが不細工になってもいいからもっとガッと開いてしまえるようなところがあると、ヨーロッパの街のカフェみたいな感じのスペースができて、街に対しての可能性がもっとはっきり見せられるのではないかっていうことは思いました。いずれにせよ商業部分の計画に魅力を感じました。名古屋の街の歴史的文脈 名古屋駅前の再開発は1999年に竣工した名古屋セントラルタワーズから始まっていますが、名古屋市における人の流れが変わったのではないでしょうか?伊藤 名古屋駅は4つの鉄道会社が7路線、あそこに全部集まってきてます。名古屋駅を都市構造的にいうと、平面でコンコースが全部つながってるんです。東京駅では、八重洲と丸の内って地下道でつながっていたり、京都駅だと橋でつながっていたりしてるけれども、街としては分かれてるじゃないですか。日本の大きい駅って基本的にみんなそうなんですよ。切符買わないでも地上レベルで駅の中を抜けられてるっていうのは実はあまりないんですよね。都市構造として非常に重要で、昔からの名古屋の「都市資源」です。昔の駅構造の一番大事なところは残して建て替えられたっていうところがね、すごく評価されていいところなんじゃないかな。最近の名古屋の駅周辺の建て替えは実はうまくいっているところがちゃんとあって、例えばシンフォニー豊田ビルも建て替えるときに、地下街でつながるようになってる。単体の建物の建て替えだけじゃなくて、その周辺と連続しながらつくられていくことが、街の構造としては重要なことだと思います。 先生のお話を聞いて、街の都市構造を生かすことが歩行者空間、さらに建物としての在伊藤恭行氏に聞く都市の資源を考え、境界をデザインするInterview金城ふ頭駐車場写真:(株)エスエス名古屋支店グローバルゲート写真:(株)エスエス名古屋支店シンフォニー豊田ビル写真:(株)エスエス名古屋支店
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