環境との調和
環境方針のもと、脱炭素社会、資源循環社会、自然共生社会の実現に向け、ISO14001の認証を受けた環境マネジメントシステムに基づいて環境貢献活動を推進しています。
脱炭素社会の実現に向けて
竹中グループのCO2削減目標の設定
当社は、2019年12月にCO2削減長期目標を設定、2021年3月に改定して、脱炭素社会を目指して活動しています。
特に、エネルギー使用によるCO2排出であるScope1,2については、自社の責任として削減活動を強化しています。また、Scope3についてもステークホルダーと連携しながら削減を図っており、「建設資材の製造時の排出」に対しては、当社が共同開発した低炭素型のECMコンクリートの適用拡大やCO2吸収型コンクリートの開発、「当社が設計した建物の運用時の排出」に対しては、設計ツールの開発等によるZEB(ゼロエネルギービル)の拡大等、具体的な取り組みを進めています。
2022年12月には、竹中グループ全体を対象とした新たな目標を設定し、2030年の中間目標についてSBT認定取得にコミットしました。
竹中グループCO2削減長期目標を設定 2023年度中のSBT認定取得を目指す
- Scope1:燃料の使用に伴う排出
Scope2:使用した電力・熱が創出された際の排出
Scope3:自社の活動に関連する他者の排出(Scope2以外)
環境コンセプトブック
事業活動におけるCO2削減
作業所・事業所におけるCO2削減の推進(Scope1・2)
施工時原単位
8.7CO2t/億円(目標:9.7CO2t/億円)
カーボンニュートラルを目指した、チャレンジ!ゼロCO2作業所の取り組み
2030年、2050年の目標を達成するため、作業所でのCO2削減活動を加速すべく、まずは削減方法やCO2排出量のモニタリングの仕組みを構築するため、「チャレンジ!ゼロCO2作業所」を設定し、①エネルギー使用量を減らす、②低炭素エネルギーを使う、の優先順序で、CO2削減活動を開始しました。また、近い将来、作業所へのスムーズな導入を行うため、B100燃料(バイオディーゼル燃料100%)や水素燃料などの作業所利用を想定した試行も行っています。
施工時のCO2を削減すべく、水素を燃料とした「燃料電池フォークリフト」を試行しています。
チャレンジ!ゼロCO2作業所
燃料電池フォークリフトの試行
自社のオフィスの取り組み
オフィス活動については、継続的な省エネの取り組みに加え、再生可能エネルギー活用に向けた検討を進めています。
オフィスエネルギー消費量削減率(対前年比)
1.1%減少(目標:1%以上)
今後の気候変動への対応
設計 | 気候変動への適応計画ガイドラインの策定
施工 | 気候変動に対応する施工技術の開発・実施
進捗度
適用計画ガイドライン継続作成中
(目標:適用計画ガイドライン策定)
進捗度
気温上昇への対応技術試行開始
(目標:気温上昇への対応技術試行開始)
省CO2型仮設ハウス「エコフィス・レジスト」の開発
従来品に比べて、断熱性能の向上やLED照明の標準装備など、作業所でCO2発生量の削減の効果が期待できる仮設ハウス「エコフィス・レジスト」を朝日機材株式会社と共同開発し、作業所に順次設置しています。設置するだけで従来品よりも20%CO2発生量を削減、加えて火災にも強い仕様にしました。また、断熱性能を強化する「ジョイント部断熱パネル」や、中間期の自然通風を活用してさらに省エネを図る「窓、扉網戸」、発電しつつ屋根面の気温上昇を抑える「太陽光発電パネル」などのオプションを用意し、気候変動へフレキシブルに対応できる仕様としています。
生物多様性への配慮
生物多様性向上プロジェクトの推進
生物多様性向上プロジェクト
14件(目標:15件)
自然が持つ多様な機能を活かした土地利用を推進するため、地域の植生・水系や土地利用の歴史への配慮、生態系ネットワーク創出、関係者参画による活動継続の仕組みづくりなど、「ネイチャーポジティブ」実現に向けた取り組みを推進しています。
サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場
見学に訪れた人が水源涵養林保全・育成の活動を体感できる場所づくりを行っています。
お客様・専門家とチームを組み、ドローン測量や現地踏査により現況の植生・地形などを把握し、来訪者が敷地を巡る園路の最適な位置を決定しました。園路沿いや水景に、敷地内にあるかつて川が運んだ巨石を配し、景観づくりに役立てています。林相転換や老朽化した危険木除去に伴う伐採木を建材・家具・マルチング材へ活用し、さらに造成の影響を受ける林地から実生苗の採取・再移植に加え新植範囲に地域性種苗を導入し、地域の自然景観資源を活かした計画としています。
サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場(長野県)
資源循環と廃棄物削減
資源循環・廃棄物削減に向けた設計・調達段階からの検討
新築工事の廃棄物リサイクルの推進
新築工事の建設副産物リサイクル率(容積比)
94.3%(目標:94.0%)
サーキュラーエコノミーの考え方を取り入れつつ、建築に特化した3つの方策①廃棄物を生み出さない設計・施工、②建築と建材を使い続ける、③まちの資源を循環する、から成る「サーキュラーデザインビルド®」をスタートしました。まずは、イオンモール株式会社様が検討している「サーキュラーエコノミーの概念を採り入れた新しいモールづくり」にパートナー企業として参画し、廃棄物を生み出さない建築を実践します。
当社が考えるサーキュラーエコノミーの概念 〜サーキュラーデザインビルド®〜
廃プラスチックの新たなマテリアルリサイクル分別の実施
軟質と硬質のプラスチックでは材質の違いにより、処理方法が異なるうえ、塩素を含有しているプラスチックは、一部を除いてリサイクルが不可能です。
令和4年4月1日に施行された「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(略称「プラスチック資源循環法」)に従い、廃プラスチックのリサイクル向上を図るため、廃プラスチックの分別方法を新たに設定しモデル作業所で導入しました。分別する品目や分別BOXの表示を分かりやすく工夫することで、分別活動が定着し、廃プラスチックのリサイクル率向上に貢献しています。