品質の確保
目次
Ⅰ.品質経営基本方針
「品質方針」に基づく、お客様満足と社会の信用に応える品質確保
1. 「品質経営」の基本姿勢
竹中工務店における「品質経営」とは、「品質重視の経営に徹し、新しい環境創造への挑戦により、お客様満足と社会の信用を得る(品質経営基本方針)」こととしています。そして、品質経営の「品質」とは、単に建物の品質だけを指すのではなく、社会的存在としての「企業活動全体の質」を指すとしています。当社は「品質」の向上に弛まず取り組み、「品質経営」を継続しています。
- 品質経営基本方針 -
2. 品質方針
「品質経営基本方針」に基づく「品質方針」に従い、協力会社と一体となってお客様の期待に応える高品質なものづくりを推進しています。
お客様の課題解決を図り 作品・サービスの質を向上させる
活動指針
- 1.企画からアフターケアまでのライフサイクルにわたり品質を確保する
- 2.先駆的な技術の開発・改善により魅力品質を創造する
- 3.品質保証体系に基づき確実なプロセス管理を実施する
- 4.教育、訓練の継続により品質管理意識の向上を図る
Ⅱ.品質確保に向けた取り組み
高品質で安全な建築とサービスの提供
1. 協力会社を含む設計段階からの品質つくり込み
設計施工一貫のメリットを活かした業務フローを「品質保証体系」として標準化(ISO9001認証取得)しています。設計段階からBIMを活用して、設計・生産・協力会社が一体となってつくり込みのプロセスを標準化することで、建築物の品質をより高い標準で確保することができます。
2. 品質マネジメントシステム
品質マネジメントシステム(ISO9001:QMS)は、本・支店ごと(東日本・名古屋・西日本)に認証取得しています。
品質保証体系に基づき、お客様要求事項を正確に把握し、設計・施工を通して確実に実現することを主眼に活動を展開しており、PDCAを回して継続的な改善を行っています。
Ⅲ.BIMを活用した品質のつくり込み
1. オープンBIMの展開による設計者・施工者・協力会社間でのデータの活用
BIMを展開し、品質のつくり込みを行うには、設計者・施工者・協力会社がニーズに応じたBIMソフトを活用することが不可欠です。当社は、特定のBIMソフトに依存しない国際的な標準フォーマットであるIFC形式での共有・調整を軸とした「オープンBIM」を展開し、設計段階から施工段階を通して設計モデル・施工モデル・協力会社モデルでデータを活用しながら、品質のつくり込みを行っています。
2. ZEBIA(ゼロ・エナジー・ビル インテグレート設計ツール)
これからの建物の環境指標となる「ZEB」の検討に必要なZEB設計ツール「ZEBIA(Zero Energy Building Integrated Analysis、ゼビア)」を開発し、設計の初期段階で時間を要していたエネルギー消費量や快適性などの環境性能の検証期間を大幅に短縮しました。また、お客様が求める条件を設計に適切に反映し、シミュレーションの結果を見ながらお客様と一緒に条件等を検討できます。
CO2排出量削減がお客様の品質目標と位置付けられる中、当社は、お客様と一体となって「ZEB」の普及・拡大を図り、削減目標の達成に貢献していきます。
3. StreamBIMによる関係者間での最新情報の共有と品質のつくり込み
BIMモデルを中心にドキュメント管理やワークフロー管理を行うことができるBIMクラウドプラットフォーム「StreamBIM」を用いた、ビジュアル化されたモデルの活用により、わかりやすい情報を提供し、お客様の意思決定を迅速にサポートし、もの決めを円滑に進めることが可能となります。さらに、従来の紙ベースの業務からの脱却が可能となり、 BIMモデルを使った現地での確認や施工記録の入力、検査などにより、ビジュアルで効率的な施工管理と品質管理を実現しています。これにより、作業現場での作業がスムーズに進み、品質の向上が図られます。
また、同システムを応用した工事監理ツールによる「お客様目線」の監理サービスにより、設計図書通りの施工が実現されているか、デジタルにチェックしてゆきます。
4. デジタル施工技術の展開
建築業界における課題である建築技能労働者不足や時間外労働の上限規制、社会のデジタル化などの環境変化に対応するための、働き方改革と建築生産プロセスの改革を目指した、「竹中新生産システム」では、デジタル技術を活用し、新たな建設プロセスの価値を高めています。お客様ニーズに応える生産力の向上や建設サービスの提供、建物の品質向上などを通じて、お客様の事業に貢献していきます。
Ⅳ.品質教育による人材の育成
1. 体験型の品質教育 ー 竹中技術実務研修センター「想」 ー
品質を確保するためには、品質保証体系に基づく品質のつくり込みが非常に重要です。特にものづくりに関わる人々には、「現地・現物・現時」を確実に実践することが求められます。
竹中技術実務研修センター「想」では、品質のつくり込みのプロセスを次世代に伝承することを基本方針としています。特に、「見て、触れて、体得する」という体験型研修を通じて、ものづくりの「型」を身につけ、磨き抜かれた感性と知識に裏付けされた「棟梁精神」の基本を涵養することを目指しています。これにより、参加者は実践的なスキルを身につけ、品質に対する高い意識を持つことができます。
「想」では以下の研修を実施しています。
- 1. 竹中工務店従業員を対象とする研修
- 2. 協力会社を対象とする研修
- 3. 社会貢献活動として、地域社会や学生等を対象とする研修
モックアップや展示、各種研修に「見て、触れて、体得する」ことで、ものづくりの技術を現地・現物・現時で鍛えます。「想」は蓄積された匠の情報を発信し、知と技を次世代に継承します。
Ⅴ.お客様満足(CS)活動
1. 竹中CS業務管理体系
お客様満足活動を「お客様と社会における弊社の位置づけを高める活動」と位置づけ、「お客様との長期的な強い関係を構築する」ことを目指しています。
2. CS調査の概要
当社の作品及びサービスの質の向上を図るため、お客様満足度調査を、1983年から実施しています。竣工後と竣工2年後の建物を対象に、専任の担当者が訪問または書面調査を通して、建物そのものや、当社担当者の対応、当社への期待などをヒアリング、調査結果の分析を行い、社内関係部門と共有・フィードバックし、業務プロセスを改善して品質の向上に取り組んでいます。