丸の内パークビル中庭の熱環境シミュレーション動画が6月20日(水)より日本科学未来館で常設展示されます
2018年6月20日
株式会社竹中工務店
株式会社 竹中工務店および株式会社 三菱地所設計、国立研究開発法人海洋研究開発機構(以下「JAMSTEC」)による研究チームは、東京都心の大手町・丸の内・有楽町地区(以下「大丸有地区」)にある「丸の内パークビル」の中庭を対象として、高層ビルに囲まれた緑地がもたらす効果を3次元連続計測と高解像度数値シミュレーションによって解明しました。そのシミュレーションの動画が6月20日より日本科学未来館で常設展示されます。
展示会概要
展示場所 | 日本科学未来館 1階大型モニター(東京都江東区青海2-3-6) |
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展示期間 | 2018年6月20日(水)~ |
展示内容 | 丸の内パークビル中庭の熱環境シミュレーション動画(JAMSTEC、三菱地所設計、竹中工務店) |
入場料 | 無料 |
交通案内 |
日本科学未来館HPをご覧ください。 https://www.miraikan.jst.go.jp/guide/route/ |
展示内容について
近年、ヒートアイランド現象による都市気温の上昇が顕著となり、特に夏季における熱環境緩和方策への関心が高まっています。その方策の一つとして、昼間だけでなく夜間における緑地の効果が注目されていますが、高層ビルが立ち並ぶオフィス街では、大規模な緑地の整備が困難です。そのため、小規模な緑地がもたらす効果を把握し、その緑地を計画的に構築することが重要です。皇居などの大規模な緑地では、夜間において樹木や芝生周辺の「冷気生成」に伴う顕著な気温降下現象が既往研究で確認されていますが、小規模な緑地ではどの程度の効果があるのか不明でした。
竹中工務店および三菱地所設計は、日本工業大学の協力の元、大丸有地区の中で小規模ながら特に樹木の密度が高い「丸の内パークビル」の中庭を対象として、3次元連続計測を実施しました。2013年の夜間計測結果から、中庭の顕著な気温降下現象が確認され、建物に囲まれた中庭という特異な形状や樹冠(枝葉等の繁っている部分)周辺の冷気生成がこの現象に関連している可能性が示唆されました。これらの成果を受け、JAMSTECがスーパーコンピュータ「地球シミュレータ」を用いて、高解像度数値シミュレーションを実施しました。その結果、樹冠の放射冷却と樹木の蒸散により葉面温度が低下することで、葉の周辺空気が冷却されることが確認できました。
今回の展示では、高解像度の熱環境シミュレーション動画をご覧いただけます。