
空からひろがる都市
万博会場内大阪ヘルスケアパビリオン「未来の都市ゾーン」での展示
空飛ぶ車がそうであるように、人々が未来を想像するとき、その象徴として「空」が挙げられます。
そしてそう遠くない将来、それらの空飛ぶ車やドローンのような空中インフラの発達により、空を起点に都市や建築が大きく姿を変えることが予想されます。
大地から離れ、地上と空を行き来する鳥の視点で、そんなミライの都市を覗いてみましょう。その視点場は地上や空中といった領域を横断するだけでなく、実践と計画、現代と未来をつなぐ思考をもたらすのではないでしょうか。
2050年の未来都市構想
大阪・関西万博で2050年の未来を構想するにあたり、以下のような都市像を描きました。
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① ドローンや空中インフラの発達によって、ドローンの発着場や、それに伴う公園、店舗などが計画されます。屋上の価値が向上し、人々が集う豊かな居場所となります。
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② 豊かになった屋上同士を行き来できるようにビル同士が様々な高さで連結していきます。都市が三次元方向に拡張されることで、空中に立体的な街区が形成されます。
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③ 空中に立体的な街区が形成され、人やインフラが分散されることで、地表レベルではより大地に根差したゆとりある空間利用が可能になります。
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④ 既存のビル同士が連結することで新たな動線がうまれると、人やモノの流れが変化します。 すると、建物の中で求められる用途やフロアの価値が変化して、それに合わせた増築や減築などの改築が行われます。
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⑤ 変化し続ける人やモノの流れに対応するように建築の形が変化していきます。ドローンによって自由に分解・再構築される、用途を持ったボックスで構成された建築が登場し、人々は思い思いに組み替えながら自由に生活することができます。
展示ブースについて
鳥に生まれ変わって都市をみてみる
ミライの都市をより体感するには、地上レベルの人間の目線から解放される必要があると考えました。また、大阪ヘルスケアパビリオンのテーマである「REBORN」、ロゴマークや平面形状にみられる「卵」というキーワードからもヒントを得て、鳥に生まれ変わったような目線でミライの都市を見ることができる展示としました。

鳥の目線とは
展示全体を構成するのは透明なアクリルボックスです。そこにミライの都市の模型を封入し、ジャングルジムのように積み上げています。子供たちはその上に登ったり下をくぐったりしながら、空を飛んでいる鳥のような自由な視点で模型や映像を鑑賞できます。
また、鳥は空を飛んで都市を俯瞰していることもあれば、地面に降りて小さな虫を探すこともあります。このようなマクロ↔ミクロの行き来も鳥の視点であると捉え、展示体験のヒントとしました。本展示も遠くから全体を引いて見ると、模型やボックスが集積することでミライの都市の外形が浮かび上がり、一方で近寄って見ると、ミライの都市を構成するシーンや未来へつながる竹中工務店のまちづくりが様々なスケールで見えてきます。
体を使っていろんな角度から展示を見たり、離れてみたり近寄ってみたりしながら、2050年のミライの都市を体感してみてください。

展示システム
展示期間終了後、展示ブロックは解体され、それぞれパーツとなります。
これらのパーツは展示会場の規模や内容によって組み換え可能であり、様々に分散し、増殖していくかもしれません。このサイクルを繰り返し、あらゆる場所に万博の足跡を残していきます。
