群馬県立ぐんま昆虫の森昆虫観察館

  • 施工
2004 群馬

ガラスのドームで覆われた生態温室

2005年8月に開園した「ぐんま昆虫の森」のメイン施設である「昆虫観察館」本館。緩やかな傾斜地に建設された建物は、3階がエントランス、展示室部分の屋上全体が大階段で、館内は斜め天井の大空間で構成されている。1階に映像ホール、2・3階は昆虫の生態・標本などの展示室となっている。1,100m2の生態温室では、沖縄の西表島をモデルにした亜熱帯の世界が再現され、蝶を始めとする昆虫が一年中生息する自然景観の中を、人々が通り抜けながら観察できる。
設計者の安藤忠雄氏は、「建築物は木々の成長と共に里山の緑に隠れていき、樹木の中にキラキラとドームのガラスが光る。 『単なる博物館』の枠を超え、現実の里山と一体となって子供たちが五感で昆虫やそれを育む自然環境に触れられるような施設を目指した」と述べている。
建物はガラスのドーム屋根と、曲線の打放しコンクリート内外壁、大きな池などが特徴の斬新なデザイン。複雑な造形のドーム屋根には、1辺2.5mの三角形の強化ガラスが1,287枚使用された。一片一片の形状が微妙に異なる200種類のガラスを使用しているため、曲面の屋根をいかに高精度に取り付けるかが施工上のポイントとなった。

設計
安藤忠雄建築研究所
施工
竹中工務店JV
延床面積
5,084㎡
構造/規模
鉄骨直交格子アーチ構造 、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造/地上3階、地下1階