中部国際空港旅客ターミナルビル

  • 施工
2004 愛知

最新機能を備えた21世紀の国際空港

名古屋市の南35kmの伊勢湾海上に建設された24時間運用可能なハブ空港。日本でトップクラスの3,500mの滑走路をもつ国際空港で、中部圏と世界を結ぶ重要な架け橋としての役割が期待されている。
この国家的プロジェクトには、2005年3月の愛知万博開催に間に合わせるという大命題があり、空港島の埋立工事に着手した2000年8月から諸施設建設、開港までをわずか54.5ヶ月という大変短い工期で完成させなければならなかった。
旅客ターミナルをはじめとする諸施設は、21世紀の国際空港としての最新機能と、和やかで親しみ易い「和」のセンス溢れる空間が融合するように計画された。また全ての人々に優しい空港を目指し、随所にユニバーサルデザインが施されている。日本で初めての本格的商業化空港とも言えるこの建物には、広大な展望デッキや結婚式も行えるセンターピアガーデンも備えている。
空港島のほぼ中央に、折鶴をイメージした旅客ターミナルビルが位置しており、建物南北の長さは約1.2kmに及ぶ。当社(JV)は国際線ウイング、国内線ウイング、中央に突出たセンターピアを担当した。センターピアには展望デッキが先端まで設置されており、ここから離着陸する飛行機を間近に見たり、伊勢湾ごしに沈む美しい夕日を眺めることができる。
工事は空港島特有の交通・搬入条件、電気・通信・上下水の自前確保などが求められる中、島内その他の建物・連絡橋・インフラ工事と平行して進めていく必要があった。海上輸送や海上強風下の高所作業削減という条件を「ユニットの大型化」などで積極的に捉え直し、生産性・安全性を追及した。また海上4kmを結ぶ無線LANを構築するなどCALS/EC*を推進した。

設計
日建・梓・HOK・アラップ中部国際空港旅客ターミナルビル設計監理共同企業体
施工
竹中工務店JV
延床面積
80,576㎡ (国際線・国内ウイング、センターピア部のみ)
構造/規模
鉄骨造/地上3階