特別史跡平城宮跡
第一次大極殿

  • 施工
2010 奈良

大極殿正殿は、710年に遷都した平城宮の最も格調のある重要な建物で、天皇の即位式など国家的な儀式に使用されました。遺構はほとんど残っていませんが、奈良文化財研究所が長年の発掘調査を行い、法隆寺や薬師寺等、同時代の古い建造物の研究により、7年かけて復原案を設計、2001年より工事に着手し、8年8ヶ月を費やして完成しました。
平城宮跡では宮内省、朱雀門(当社施工・1997年完成)、東院庭園に続く4番目の本格的な建造物の復原工事であり、工事を通して伝統技術を継承、工事期間中に建設過程を特別公開しました。
建物は間口9間、奥行4間二重入母屋造り本瓦葺で、組手は三手先、国内産檜による日本最大級の純木造建築であり、木部表面の仕上げは当時の道具のやりがんなで加工し、丹土塗りの仕上げとしました。
上部構造を純木造の伝統架構とするため、基壇の中に免震装置を組み込み、上部構造への地震力の低減を図るとともに、土壁耐震壁を採用しています。新技術による構造補強や解析技術を採用することにより、当時の架構を現代の建築基準法に適合させました。

復原原案
奈良文化財研究所
設計・監理
文部科学省、
(財)文化財建造物保存技術協会
施工
竹中工務店JV
延床面積
858㎡
構造/規模
鉄筋コンクリート造(基壇)
木造(上部)/地上1階(二重)