「既存シーリング材を完全除去する高品質シーリング改修工法」~新築同等の耐久性を確保、施工実績延べ40キロメートルを突破~

2013年2月14日
株式会社竹中工務店

株式会社竹中工務店(社長:竹中統一)は、サンスター技研株式会社、日本ビル技研株式会社と共同で開発した「既存材を完全除去する高品質シーリング改修工法」を改修工事に適用し、施工実績が述べ40キロメートルを突破しました。2012年度には東京都内の約30,000m2の東洋製罐幸ビル改修工事に適用し、累計で26件の実績を上げています。
本開発工法により、従来工法において難しかった劣化したシーリング材※1の完全除去が可能となり、改修においても新築同等の耐久性を確保できることから、建物のライフサイクルコストの低減を図ることができます。
また、これらが評価され、2012年度・超モノづくり部品大賞・奨励賞を受賞しました。
今後も、当社の改修プロジェクトに広く適用していく予定です。

  • ※1シーリング材:外装部材等の接合部分に充填し建物の防水性能を確保する重要な材料

■「既存材を完全除去する高品質シーリング改修工法」の概要

カッターで切り込みを入れて取り除いた後に残存するシーリング材の薄層を、シーリング材除去剤で軟化させて除去したうえで、改修用シーリング材を施工する工法です。シーリング材除去剤は、オレンジなどから抽出されるリモネンを主成分とする安全安心に配慮した材料です。また、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系など、汎用的なシーリング材に適用できます。
作業工程は、①カッターで劣化した既存シーリング材除去②刷毛塗りで薄層残存に除去剤を塗布→除去剤塗布後10分~2時間の間に金ブラシなどで膨潤・軟化した薄層残存を除去③被着面の清掃による薄層シーリング材の完全除去④新規シーリング材の打設、の手順(写真①~④)となります。この工法・材料は、特許2件を取得しています。

① 劣化した既存シーリング材除去

②シーリング除去剤塗布,薄層残存除去

③被着面の清掃

④新規シーリングの打設

■「ライフサイクルコスト」の試算例

建物供用期間を50年間とし、その間に発生するシーリング改修費総計を、10年経過した時を1として従来工法と開発工法とを比較した算定例を示しています。従来工法では、一般に、カッターで切り込みを入れて劣化したシーリング材を取り除いてから、直ちに改修用シーリング材を施工します。

「ライフサイクルコスト」の試算例