震災時の天井落下を防ぐ「非構造部材耐震性対応体制」を強化~5月公布予定の建築基準法施行令等改正に向けてガイドラインを策定~
2013年5月23日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、2013年5月公布予定の吊り天井脱落防止に関する建築基準法施行令等改正に対応するため、2012年6月に結成した「非構造部材耐震性対応体制」を強化しました。これまで、本社並びに大阪・東京・名古屋各本支店に設けられていた営業・設計・技術機能のメンバーを集めた対応チームに見積・調達・品質管理機能を追加し、お客様からのご依頼に対し、設計・施工、引き渡しまでを一貫してご提供することで、より迅速に対応します。
施行令等の改正により、天井脱落防止におけるニーズの多様化が予想されます。当社は施行令等の改正に適合する対策に加え、改正法令の対象外となる比較的小さい規模の天井を持つ建物の安全性も確保するため、今回天井脱落防止に関する当社独自の「天井の耐震・脱落対策に関するガイドライン」を策定しました。
これまでに当社が東日本大震災以降に天井脱落防止を実施した工事は2012年の1年間で28件です。今回体制を強化することで、今後更に全社を挙げてお客様ニーズへの迅速な対応を行っていきます。
東日本大震災では、体育館、劇場、大型商業施設、工場などの大規模空間を有する建築物の天井において、比較的新しい建築物も含めて天井が脱落する被害が多く見られ、その件数は、全体で約2,000件((社)日本建設業連合会調査)にも及びました。これらの被害を踏まえ、国土交通省は大規模空間の天井を「安全上重要である天井」と呼ぶこととし、これを対象とする建築基準法施行令等の改正を行います。
【当社策定「天井の耐震・脱落対策に関するガイドライン」の内容】
天井までの高さや面積などにより、以下の対策を実施します。
- ①人が日常立ち入る場所でかつ、天井の高さが6m、かつ面積が200m2、重量が2㎏/m2を超える場合は、施行令の改正案に適合するように耐震天井を設計します。(法令案を適用する耐震天井)
- ②3m超~6m以内の天井までの高さを持つ部屋や、中央監視室、防災センター、CPU室などの重要機能を持つ部屋には、筋交いを設置し天井の水平方向の揺れを減少させ、さらに壁に衝突しないように壁との間にクリアランスを設けます。(クリアランスありの耐震天井)
- ③①②に該当しない規模であっても、避難通路や病室などについては、天井への地震力を壁が受け止めるようにし、併せて脱落防止金具を設置します。(クリアランスなしの耐震天井)
天井の仕様設定フロー概要(当社のガイドラインを要約)
要求される耐震性に応じた天井の各仕様概要(当社のガイドラインを要約)
【天井脱落防止に関する建築基準法施行令等改正内容】
2013年5月公布、2014年4月施行予定。床から天井までの高さが6mを超え、かつ天井の面積が200m2超で、脱落した場合に人へ重大な危害を加えるおそれのある天井が対象。以上に該当しない天井は対象外。
【対応窓口】
生産本部(東京) Tel 03-6810-5175 / 設計本部(東京) Tel 03-6810-5166