平成25年度(第76期)中間決算概要 及び 当期業績見通し
2013年8月30日
株式会社竹中工務店
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、東日本大震災からの復興や経済政策への期待感による為替相場、株式市場の改善などにより持ち直し傾向が見られた一方で、世界的な景気の減速懸念により不透明な状況が継続しています。
建設業界においては、公共投資は震災復興関連を中心に増加しましたが、民間設備投資は回復基調にあるものの本格的な回復には至っておらず、受注競争の激化や建設物価の上昇傾向などにより、経営環境は依然として厳しい状況で推移しました。
このような状況下において、当社グループは経営理念である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を基軸とした品質経営と企業体質の強化を第一義とする健全経営に徹し、お客様指向の徹底、法令・社会規範の遵守、安全管理面の徹底と品質力の強化、生産原価の低減等により業績の向上に努めました。その結果、売上高は前中間連結会計期間比9.9%増の4,949億円余、損益面では、建設事業において工事採算悪化に歯止めがかかり完成工事利益が増加したことにより、営業利益が57億円余(前中間連結会計期間は110億円余の営業損失)、経常利益が97億円余(前中間連結会計期間は68億円余の経常損失)、中間純利益は49億円余(前中間連結会計期間は66億円余の中間純損失)となりました。
当中間連結会計期間における当社グループの連結業績(連結法38社+持分法19社=計57社)及び当社単体の業績は以下のとおりです。
中間決算概要
(1)総括
連結、単体ともに増収・増益
主たる項目の実績額と前中間期増減率の状況は下表の通り。
- ※1実績額欄は完工利益率を記載している。
- ※2次期繰越工事高については、前期末増減率を記載している。
(2)主要項目別の概要
①受注高:
- ・連結は対前中間期比で17.6%、単体は同19.7%の受注増
- ・海外建設工事の受注高(本邦含む)は、対前中間期比16.2%減の638億円、建設受注高(連結)に占める割合は5.3ポイント下降の13.0%(中間期として3期連続の10%台)
(単体)
依然として厳しい受注環境が続いているものの、国内建設受注高の増加(対前中間期比27.5%増)の影響により、対前中間期比19.7%増の4,166億円となりました。(建設受注高が中間期で4,000億円を超えるのは2008年以来5期振り)
(連結)
海外建設工事の受注高は、大幅に増加した前期の反動もあり減少したものの、国内建設工事の受注高の増加(対前中間期比25.8%増)の影響が大きく、全事業では対前中間期比17.6%増の5,298億円(中間期で5期振りの5,000億円超)となりました。
②売上高:
- ・連結は対前中間期比で9.9%、単体は同6.7%の増収
- ・開発事業を含む海外事業の売上高は、対前中間期比26.8%増の751億円、売上高(連結)に占める割合は2.0ポイント上昇の15.2%(中間期として3期連続の10%台)
(単体)
建設受注高につき2011年以降増加傾向となっていることにより、売上高は5期振りに増加に転じ、対前中間期比6.7%増の3,865億円となりました。
(連結)
単体に加え、国内主要建設子会社が前中間期比8.8%増の526億円、更に海外子会社については為替の影響も加わり、全事業では対前中間期比9.9%増の4,949億円となりました。
③売上総利益:
- ・連結、単体ともに増益
(単体)
厳しい受注環境の下で労務費の上昇・資材価格の高騰が続いているものの、前期に手持工事の採算見直しにより大幅に減少した完成工事利益は、業績回復に向けた全社的な取り組みにより採算悪化に一定の歯止めがかかり、対前中間期比185.9%増の199億円(同利益率は3.3ポイント上昇の5.3%)となりました。その結果、売上総利益は対前中間期比118.6%増の250億円となりました。
(連結)
建設事業は、単体の大幅な増益に加え、竹中土木及び一部の海外建設子会社の完成工事利益が大きく増加したことにより、前中間期から116.4%増の278億円(同利益率は3.0ポイント上昇の6.1%)となりました。開発事業等においても対前中間期比13.9%の増益となり、売上総利益は対前中間期比81.2%増の355億円となりました。
④営業利益:
- ・連結、単体ともに増益(2012年中間期、通期ともに営業損失)
(単体)
完成工事利益率が大きく改善、同利益が増加したことにより、28億円の営業利益(前中間期は126億円の営業損失)となりました。
(連結)
単体の大幅な増益に竹中土木及び一部の海外建設子会社の増益が加わり、57億円の営業利益(前中間期は110億円の営業損失)となりました。
⑤経常利益:
- ・連結、単体ともに増益(2012年中間期は経常損失、通期では経常利益)
(単体)
営業利益の改善に加え、受取配当金並びに円安進行による為替差益の増などにより、68億円の経常利益(前中間期は83億円の経常損失)となりました。
(連結)
97億円の経常利益(前中間期は68億円の経常損失)となりました。
⑥中間純利益:
- ・連結、単体ともに増益(2012年中間期は中間純損失、通期では当期純利益)
(単体)
39億円の中間純利益(前中間期は62億円の中間純損失)となりました。(売上高中間純利益率は1.0%)
(連結)
49億円の中間純利益(前中間期は66億円の中間純損失)となりました。(売上高中間純利益率は1.0%)
当期業績見通し
当期(平成25年12月期)の業績見通しは以下の通りです。
国内建設市場は、震災復興を中心に大型補正予算で公的需要は増加し、経済政策による先行きへの期待感や輸出関連企業の回復などで民間需要も増加したものの、欧州経済低迷の長期化や新興国経済の減速などの影響により力強い回復には至っておらず、更に技能工不足と賃金上昇や資材価格の高騰などが続き、建設業を取り巻く環境は依然として厳しい状況で推移しております。一方で海外では、アジア諸国のインフラ建設や国内製造業の海外拠点の建設需要は引続き堅調であり、グローバル化が加速する社会やお客様に国内外で安定した建設ソリューションを提供することが求められています。
このような状況下において当社グループは、建設事業においては、お客様指向の徹底とトータルコストの低減により市場競争力と収益力の強化を図り、開発事業においては、建設事業との相乗効果によるソリューション力の強化を通じて、将来の成長を支える資産価値の向上と収益力の強化に取組む考えであります。
(1)連結業績
(2)単体(個別)業績