屋外スペースの有効活用を促す新システムを開発~「ソトワーク指数」でワーカーを屋外へ誘導~

2013年10月10日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、風速・日射量・気温などに応じて屋外スペースの快適度を算出し、「ソトワーク指数」(商標出願済)として段階表示で分かりやすく数値化することで、屋内にいながら屋外の快適性が分かるシステム(特許出願済)を開発しました。
段階の“5”は快適度が最も高く、“1”は快適度が最も低いことを示し、“0”は降雨時に表示されます。この表示をリアルタイムで個人PCやスマートフォン、デジタルサイネージなどに配信することで、屋内にいる人々を屋外スペースへ効果的に誘導できます。屋外が快適なときには、打ち合わせやアイデア出しといったワーク、気分転換、ランチなどに積極的にご利用いただくことで、新しいワークスタイルが実現します。ワークライフバランスが着目される中、ワークスペースにおけるお客様のニーズが多様化してきています。今回開発したシステムにより、屋内にとどまらず、屋外スペースの活用も視野に入れた幅広いワークスペースのあり方をご提案できます。今後は本システムをさらに発展させることで、学校や商業施設、病院、工場等多岐に渡る建種の利用者に活用いただけるシステムとして幅広く提案していきます。

「ソトワーク指数」の配信画面例
「ソトワーク指数」の配信画面例

■システムの概要

これまで、屋外の快適性を示す指標は利用者の主観評価に基づくものが主体でした。当社は、客観的なデータに基づいて、分かりやすい段階表示が可能な指標をお客様へご提案するため、十数か所における実際の屋外スペースで利用状況と温熱環境※1を調査しました。さらに、その調査データの関連性をもとに独自のロジック(特許出願済)で快適性を段階で示す指標をつくり、「ソトワーク指数」と名付けました。

  • ※1SET*(標準新有効温度、standard new effective temperature)を算出するために必要な環境要素(気温、湿度、気流、輻射温度)と人間側の要素(着衣量、代謝量)を調査しました。SET*は温熱環境の快適性を示す指標のひとつで、屋外にも適用される指標です。

■屋外スペース利用促進プロセス‘ソトコミ’

当社では、屋外スペース利用を促進する一連のプロセスを「ソトコミ※2」(商標出願済)と呼んでいます。①環境条件の把握②快適な屋外環境の創出 ③屋外への誘導 の3つのプロセスを繰りかえすことにより屋外スペース利用へ人々を効果的に誘導します。今回開発した本システムは、③(屋外への誘導)のために活用するシステムであり、‘ソトコミ’を支える技術です。

  • ※2ソトコミとは、外でのコミュニケーション、ソト込で考えるライフ/ワークスタイルを略した造語です。

当社は、経営環境の変化のスピードに対応できるオフィスをつくる「ワークプレイスコンサルティング」や、人が現状よりも健康で生き生きと働くことができる空間づくりを目指す「人にやさしい空間」の創造など、生産性や創造性が高まる快適な空間づくりを進めてきました。本システムを取り入れることで、屋内・屋外を問わず、快適さと多様さを追求したワークプレイスを創出していきます。