タイル打診調査から報告までを約40%短縮可能な外壁調査システム「カベロク」を開発~打診調査結果を画像化することで調査記録の漏れ・間違いを防止~

2013年12月18日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は、日本ビソー株式会社(社長:黒田美喜雄)と共同で、タイル打診調査から損傷部分の数量積算および報告までの時間を約40%短縮できる外壁調査システム「カベロク」を開発しました。(特許・商標出願済)

本システムは、建物外壁の状態を動画で記録し、その画像を直接調査報告書へ活かしていくことで、短期間での調査結果報告を可能とするものです。また、本システムは、調査結果そのものを画像として記録することができるので、調査記録の漏れ、記録作成の間違いを防止することも可能で、調査の信頼性を保ちながら種々の建物に対応できます。

  1. 平成20年の建築基準法改正により、特殊建築物における外装タイル等について、定期的な調査義務が強化されました。特に築10年経過した建物は落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面打診調査が義務化されました。

■システムの概要

本システムは、ハードであるビデオカメラを搭載した建物外壁打診用の「一人乗りチェア型ゴンドラ」とソフトである「画像処理・損傷数量自動集計・報告書作成システム」で構成されます。

本システムの適用手順は、

  1. 専門調査員がゴンドラに乗って壁面の打診調査を実施し、タイルやモルタルの浮き・ひび割れなどの損傷を直接壁面にチョーク等で表示。
  2. 外装の状態は、壁面に書き込んだ調査結果と共に、搭載カメラで動画として記録。記録した動画は、今回開発したソフトで処理され、壁立面の静止画像として合成。
  3. この静止画像をもとにCAD図を作成し、報告書として完成。

■特徴

  1. 検査実施前の壁面図作成・現場での打診結果を図面化
    直接外壁に表示した調査結果を、調査範囲すべてに亘って搭載ビデオカメラで記録するので、事前に壁面図を作成する必要はありません。また、記録した動画は開発ソフトにて半自動で立面図のような静止画へ加工することが可能。これをCAD図の背景に表示して、AutoCAD描画機能で調査結果を入力するので、現場での図面記入が不要となりました。
  2. 報告書作成時の人的ミスの防止
    記録画像を直接報告書作成に生かすことができるので、損傷の記入漏れ、記録写真の撮り忘れ、図面への記録ミス等を防げます。
  3. 調査時の状況を画像記録として保存
    調査結果を全て画像として記録することができるので、正確な調査結果報告が可能となると共に、建物の長期維持保全を図る際の調査時点ごとの状況を記録として保存し、適宜活用できます。
  4. Excelファイルで不具合一覧を作成
    開発したソフトはAutoCAD上で動作します。損傷情報は種別、調査部位ごとに数量が自動で積算集計され、Excelファイルとして出力できます。

本システムを取り入れた外壁タイル調査業務をまずは関東地方で開始し、その後、大阪、名古屋等の大都市圏から全国まで対象エリアを拡大させ、リニューアル工事の受注拡大につなげていきます。