2014年「日本建築学会賞(作品)」、「日本建築学会賞(技術)」でダブル受賞~オフィス空間の再構築を実現した「明治安田生命新東陽町ビル」と防火地域での大規模木造建築を可能にした「耐火集成材の開発」~
2014年4月18日
株式会社竹中工務店
竹中工務店(社長:宮下正裕)は、4月16日に発表された2014年「日本建築学会賞(作品)」と「日本建築学会賞(技術)」の各賞を受賞しました。
単独の建築で時代を画すると目される優れた作品に贈られる「日本建築学会賞(作品)」には「明治安田生命新東陽町ビル」が、近年中に完成した建築にかかわる技術の発展に寄与し、優れた成果に結実した技術に与えられる「日本建築学会賞(技術)」には「三層構造の燃え止まり耐火集成材の開発」が選ばれました。
当社は今後も、魅力ある建築作品、社会に貢献する技術を創出できるよう、一層の努力を重ねてまいります。
■明治安田生命新東陽町ビル
生命保険会社の事務センターと研修所、研修用宿泊施設の複合施設です。約100m角の基準階形状の中心に40m角のアトリウムを設けたロの字型の執務ゾーンは、1フロアを4分割し1/4階ずつレベルを変え、オフィス階すべてを螺旋状に繋げた「スパイラルフロア」とすることで、シームレスで執務ゾーンの全体可視ができる大きなワンスペースとし、オフィスにおける空間性の実現を目指しました。
無機質で均質になりがちなオフィス空間に光を当て、そのオフィスワーカーの意識の活性化を誘う空間性や社会の変化に自在に対応できる高いフレキシビリティを獲得するアイディアを示した点が評価されました。
■三層構造の燃え止まり耐火集成材の開発
市街地に建設される大規模建築物などは、建築基準法により耐火建築物とすることが求められるため、一般的な木造の柱・梁による建設が困難でした。
当社では、純木の「荷重支持部」、モルタルと木で構成された「燃え止まり層」、純木の「燃え代層」の3層で構成され、事務所や商業施設の実現に必要なスパン9mに対応した新たな耐火集成材「燃エンウッド®」を開発しました。本技術は、国内初となる市街地での木材現し(あらわし)の大規模木造建築をはじめとし、3件のプロジェクトに適用されています。
耐火と構造を融合した新たな木材現しの耐火集成材の開発と、それを建築に適用するための周辺技術を合わせて提案することで、「木の建築」とは程遠かった従前の大規模木造建築のイメージを払拭した点、この分野の今後の技術的進化を促すことに期待できる点が評価されました。
■日本建築学会賞
一般社団法人日本建築学会が設けている国内で最も権威のある建築の賞とされ、日本国内における建築・建設分野で功績をあげた個人・団体を称え授与される。
作品部門は、近年中に国内に竣工した建築の単独の作品で、時代を画すると目される優れた作品に贈られる。
また、技術部門は、近年中に完成した建築にかかわる技術の発展に寄与し、優れた成果に結実した技術に与えられる。