竹中技術研究所 調の森 SHI-RA-BE®が屋外環境の認証制度SITESでゴールド認証を取得

2021年10月01日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:佐々木正人)は、2019年10月にリニューアルした「竹中技術研究所」(千葉県印西市)の敷地内に創出した“調の森 SHI-RA-BE®”において、米国発で世界的な屋外環境の認証制度であるSITES(The Sustainable SITES Initiative)でゴールド認証を取得しました。

SITESはLEEDと同様に米国の認証機関Green Business Certification Inc.(GBCI)が運用する屋外環境に特化した認証制度で、グリーンインフラを実装する際の定量的指針であり、屋外環境のサステナビリティを包括的に評価するものです。プロジェクトの計画、設計、施工から運用・維持管理までを対象に、生物多様性保全、水資源保全、省エネルギー、資源循環、ヒートアイランド現象緩和、健康増進、教育などの多面的視点で評価されます。

評価されたポイント

調の森 SHI-RA-BEが立地する千葉県北総地域の谷津景観に代表される地域の自然環境を丁寧に読み解き、野馬土手に代表される盛土がつくり出す景観、イヌシデが優占する雑木林景観、脈々と受け継がれてきた草地景観、希少な水草が生育していた湖沼など、今も残るこの地域らしい景観を支える多様な生態系を参照し、生態学などの最新の科学的知見に基づきながら、生態系の再生・保全に取り組んでいる点が評価されました。
また、雨水貯留浸透技術レインスケープ®、地域の鳥類の生息環境創出技術、希少な水草類の生息域外保全、在来草原再生、都市農業の生態系サービス評価などの、建設会社の研究所ならではの先進的な取り組みが随所に盛り込まれ、研究開発・実証フィールドとして、社内外のステークホルダーと連携して積極的に活用されている点も高く評価されました。

調の森 SHI-RA-BEの計画においては、調査、計画・設計、施工、維持管理を通じて当社ランドスケープデザインの新しいスタンダードとなることを目指しました。本フィールドで実証・開発された技術は、地域の生態系と調和し人と自然との共生を目指す、さまざまな屋外空間に適用していき、自然共生社会の実現と持続可能なまちづくりを目指した社会課題の解決に取り組んでいきます。また、ESG投資の潮流のもとで高まりつつある敷地の環境認証取得のニーズに対して、今回の認証取得で培ったノウハウを活かしてお客様の環境認証取得をサポートしていきます。

  • 野馬土手(のまどて)とは
    江戸時代に幕府が設置した馬が逃げ出さないよう作られた土手のこと。
  • 生息域外保全とは
    本来生息する環境が、人為的あるいは自然由来等の何らかの理由で生存が脅かされ、その原因を取り除くことがすぐには困難な場合に、安全な環境で生き物を育てて増やし、本来の生息地を再生した上で野生回復を図ろうとする取り組みのこと。
従業員による有機菜園での活動
従業員による有機菜園での活動
緑地整備後に飛来するようになったカワセミ
緑地整備後に飛来するようになったカワセミ
調の森の景観
調の森 SHI-RA-BEの景観
水域に定着した地域の希少な水草
水域に定着した地域の希少な水草