当社社員が第64次南極地域観測隊員として南極に向け出発

2022年10月11日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:佐々木正人)社員の田邊裕介(たなべゆうすけ)主任研究員が第64次南極地域観測※1隊員に選任され、10月1日より大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立極地研究所(以下、極地研)の職員として勤務を開始、10月10日、南極のドームふじに向けて出発しました。
南極地域観測隊には夏隊と越冬隊があります。田邊主任研究員は夏隊の先遣隊に参加し、基地の設備や生活の維持を担当する「設営系」の隊員として、極地研と当社の共同プロジェクトを担当します。
プロジェクトでは、ドームふじにおいて、炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRP)部材を用いた観測施設の設置作業に携わるとともに、軽量・高強度なCFRPを用いることによる輸送・組立エネルギー削減効果の検証を行います。

夏隊の先遣隊は、日本から南アフリカ経由で航空機を使い南極に上陸し、昭和基地で63次の越冬隊と合流しドームふじを目指します。現地到着後、4カ月にわたって業務を遂行し、2023年春に帰国する予定です。

  • ※1南極地域観測は、1957-58年の国際地球観測年をきっかけに始まった政府の事業です。省庁や機関、民間企業が連携し、気象や大気、生物、地質、宇宙などの研究観測が進められています

―竹中工務店の南極観測施設に関する歴史―

当社には、1957年の第1次南極観測隊のために、南極観測用建物を始めとする4棟のパネル組立式家屋を開発した歴史があります。日本建築学会南極建築委員会が基本設計を、当社が実施設計と製作を担当して開発が進められました。
開発したパネル組立式家屋は、観測船で南極まで輸送し、建設工事には不馴れな観測隊員が組み立てることから、部品が軽くて丈夫なこと、組み立てが簡単なこと、更に南極という厳しい気象環境から観測隊員を守るため、最大積雪量2m、最大風速80m/s、最低気温-60℃に耐えられる建物性能を満たしています。
この時開発されたパネル組立式家屋が、日本初のプレハブ建築となります。