「Jacques Rougerie Foundation-INTERNATIONAL COMPETITION IN ARCHITECTURE 2023」で最優秀グランプリと特別賞を受賞
2023年12月20日
株式会社竹中工務店
ジャック・ルジュリ財団が主催する国際コンペ「Jacques Rougerie Foundation-INTERNATIONAL COMPETITION IN ARCHITECTURE 2023」において、当社東京本店設計部から応募した提案が、最優秀グランプリと特別賞を受賞しました。
同コンペティションは、フランスの建築家ジャック・ルジュリ氏が創設したジャック・ルジュリ財団が毎年主催している国際的な環境建築デザインコンペで、「Sea Level Rise/海面上昇に対応する建築」「Sea/海洋建築」「Space/宇宙建築」の3つのカテゴリーからの自由選択形式となっており、今回で13回目を迎えました。「フランス国立図書館」を設計したドミニク・ペロー氏が審査委員長を務め、応募総数約750案の中から「Sea Level Rise/海面上昇に対応する建築」カテゴリーで当社提案「Regenerative Islands」が最優秀グランプリに、「Space/宇宙」カテゴリーで当社提案「Terraforming Ray」が特別賞に選ばれました。
最優秀グランプリ「Regenerative Islands」
太平洋島嶼国は、海面上昇による水没の脅威や高潮による海岸侵食に直面しており、居住地や生態系が破壊されるという問題を抱えています。これらの問題を解消するために、波の力を抑制し、沿岸部に砂を堆積させることで島を拡大する建築「Regenerative Islands」を提案しました。砂の堆積は島の自己回復と成長を促進し、居住地の確保や沿岸部の生態系の回復にも寄与します。島国の物質、環境、水、エネルギー、食の循環にも建築を組み込み、島全体に新しいエコロジカル・ネットワークを形成することで人々の生活や生業を活性化させます。沿岸部への砂の堆積といった自然のプロセスを利用することで、島国の環境的かつ文化的な持続可能性を維持する試みと、建築と自然を融合させたランドスケープの創造性が高い評価を受けました。
受賞者
東京本店設計部 森祐樹 山口裕太郎 関春佳 影澤泰人 松尾朋哉 日隈綾乃 齋藤瑞斗
特別賞「Terraforming Ray」
宇宙分野では、地球以外の惑星で人類が持続的に活動を行えるよう、「アルテミス計画」を始めとする様々なプログラムが進行中です。その中でも、火星は有人拠点の候補地として注目を集めていますが、強風と有毒物質を含む土壌という過酷な環境が生物の生存に大きな障害となっています。この問題を解決するため、私たちは「Terraforming Ray」を提案しました。エイの流体力学に基づいた形状を用いて、強風をエネルギーに変換し、土壌を肥沃なものに変えるシステムによって、火星を人類が生息可能な、水と植物で溢れた惑星へと変貌させます。宇宙分野における「風」の大胆な活用の新規性と形態の芸術性が高い評価を受けました。
受賞者
東京本店設計部 長谷川将太郎 大野めぐみ 周磨幸一 岩田佳歩 今井達也 奥田司 埜村幸紀 吾郷大雅