渡邊 義明  わたなべ よしあき

2016年中途入社

  • 未来・先端研究部 研究主任

学生時代の専門分野:機械工学/学際情報

電機メーカーからの転職、建設業界への新たな挑戦者

渡邊はロボット工学をはじめ、コンピュータビジョン、IoT、人工知能と幅広い専門分野で活躍しているが、前職の電機メーカーでは、自動車機器の応用研究などに従事していた。
その渡邊が選んだ新しい舞台は、建設業界だ。
現在は建設現場で活躍するロボットの研究開発や、非熟練作業者の効率的な教育を目標とした建設作業の計測・解析を行なっている。
建設業界の知識が無いままに転職をした渡邊は、ここでの研究開発にどう向き合っているのか。

ロボット工学に対する情熱を持って未知の世界への挑戦

「電機メーカーで最初に自動車関係の仕事をしていましたが、ある時、自動運転のプロジェクトに関わったんです。自動運転車ってロボットみたいなものなので、元々大学院でロボットの研究をしていたこともあり、やっぱりロボットやりたいな、という気持ちが強まり、転職を考えはじめました。」と渡邊は話しはじめた。
「そんな中、転職サイトの求人で、竹中工務店のロボット研究職の求人を見つけました。ゼネコン業界を全然知らず、不安しかありませんでしたが、ロボットの研究がしたいという強い思いで応募してみました。」
ゼネコンとロボット技術がどう交わるのか、未知の世界でも飛び込む勇気が、渡邊の原動力そのものだ。

その後、入社して留学制度を知り、熱意そのままにドイツ留学へ進むことになる。
「転職もそうですが、やはり挑戦したいという気持ちだったり、自分で踏み出した行動力があったからこそ、色々と得られたものがあると思います。」

留学の経験を活かし、「建築×ロボット工学」の研究へ

「留学先でお世話になった教授はドイツ出身の方ですが、東大で博士号を取得し、また奥さんが日本人という方でした。さらに、大学院の頃の恩師の紹介により、他学部のロボット系の教授とも知り合うことができました。こうした人との巡り合わせもあり、充実した研究ができました。」
ドイツでは度胸がつき、英語によるコミュニケーション力が向上するなどしたのは勿論だが、研究に没頭できた経験が、大きな財産になったという。
「月曜日から土曜日まで、時間も忘れるくらい、研究活動に没頭できたのは最高でした。」と渡邊は楽しそうに話す。

ドイツ留学から戻り、「非熟練作業者の効率的な教育を目標とした、建設作業の計測・解析技術」の研究を開始する。
「建設作業者の減少を何とかしたいという思いと、ロボットに人の動作を獲得させる技術への興味が相まって、人の動作計測・解析に興味を持ち、この研究を構想しました。」
また、ドイツ留学の延長の研究で「平面図を元に目的地まで自律移動するロボット」の研究も進める。
「前者の研究は、ロボットが人の動きをどうやって獲得していくか、後者の研究は、移動に関する思考をどうやって獲得していくかということです。移動に関して、留学中から、ロボットに図面を使って空間構造を教えていました。その時は図面のどの位置に自分がいるのかを見つけるための技術に取り組んでいて、ここからここまでとりあえず行ってくれればいいよという考え方に改めて、今の研究に行き着きました。」

今はとにかくロボット技術を発展させたい

博士課程に進学するために、研究計画を練り、自主プロジェクトにも取り組んでいる。
「自分が作った技術なり物を、世に出すことが仕事上の目標ですが、やっぱりロボットを世に出したい。ロボット技術を活用して、もっと人の暮らしを快適にしたいと思っています」と話す渡邊からは、一貫してロボットへの熱意が伝わってくる。

今後の展望として、ロボットが人にサービス提供できるアプリケーションの開発を目指して、仲間集めをしているという。

「竹中工務店でうまくいくかどうか、確信は持てていませんでした。でも、少なくとも建物側から人の世話をするようなロボットを、建物空間に活かせるだろうという期待があり、あとは自分の頑張り次第かなと感じて選びました」と渡邊は転職した時の気持ちを話した。
環境と、それを活かす情熱と行動力が、より良い研究へとつながっていく。

ゼネコンという未知の世界に入り、留学先で建築×ロボット工学の研究基盤を見つけた渡邊。ロボット技術を活用して人の役に立ちたいという情熱をもとに、渡邊の研究は続いていく。

2022年11月に行ったインタビューを元に執筆しています。

プロフィール

渡邊 義明  わたなべ よしあき

  • 技術研究所
  • 未来・先端研究部
  • 研究主任

「地図生成せず、平面図を使って目的地まで自律移動するロボット」
「非熟練作業者の効率的な教育を目標とした、建設作業の計測・解析技術」
の研究開発に取り組んでいる。

専門分野

  • ロボット工学
  • コンピュータビジョン
  • IoT
  • 人工知能
  • サービスロボット
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竹中技術研究所研究員クローズアップ