2012年入社
学生時代の専門分野:建設システム工学専攻、地盤工学、等
老朽化した建築は解体され、建て替えられる。近年は都市部等でこのような工事が増えている。建物の解体に伴い、新築建物に干渉する既存杭も撤去されることが多い。地上の既存建物は構造や出来形を管理できるが、杭がある地下の部分は見えない為、状況を把握し難く、施工の難しさがある。既存杭撤去後の埋戻しの品質が悪い場合、新設杭の設計や施工に支障が出るリスクがある。新築の建築物をより良い作品にするためには、見えない地下部がむしろ重要であるともいえる。把握しにくい地盤の世界に清塘は魅力を感じるという。 そんな清塘の思い描く未来とは。
清塘は学生時代、就職活動中に竹中工務店の社員の仕事に対する情熱のある姿を見て入社を決意。
入社して二年目、技術研究所への配属前に2年間のジョブローテーションで大規模現場を経験。解体から地下掘削まで携わった。そこで多くの人が建物の完成に関与していることを学んだ清塘。その経験をいかし地盤基礎の研究をスタートさせる。
「研究職として、果てしない問題への挑戦、知らないことを探究することが魅力です。全然底が見えなくて、やればやるほど解決すべき問題がたくさんあるから、広い世界が目の前に広がっていく」と清塘はどこか楽しそうに語る。
多様な視点を持つことの重要性を感じた清塘は、全国の技術者を集めた定例を開いていた。
「部門を超えた出会いによって多くの気付きがあります。自ら切り開いていく力のある人は魅力的で、そんな人たちの発言からいつも元気とやる気をもらっています」
「その他にも、人事主催の異業種の女性が集まる研修に参加し、様々な業種、様々な立場の女性の考え方に刺激を受けました」という清塘。今でも親交があるという。
「どんなことでもできる会社が竹中工務店の強みだと思います」
考え方や意識、経験など、内面的な多様性と研究スタイルを尊重する意思決定の多様性を独自の視点で仲間と共におもしろさを見出している。
また清塘はプライベートで、高校時代から続けている和楽器を弾いてリフレッシュし、発表会に向けた練習で充実した日々を送っている。
「もしこの既存杭を適当に抜いてしまうと地盤沈下の危険もありますし、土地の価値も落ちる。埋戻し部に近接する新設杭の施工精度が低下することもあるので、軟弱地盤を作らないようにするにはどうしたらいいのか。解決すべき問題に取り組み続けています」と研究に対する熱意を語る清塘。
「研究とは未知の領域を探究し続けていくことになりますので視野を広く持ち、様々な可能性に気づけるほうがいいと思います。やろうと決めて進めば未来を切り開いて行けると思うんです」
と、これから一緒に働く未来の研究者に向けて清塘は語った。
2023年10月に行ったインタビューを元に執筆しています。部署名は取材当時(2023年10月)のものです。
清塘 悠 きよとも はるか
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