シガキ ジェフェルソン

2023年入社

  • 技術研究所
  • 未来・先端研究部

学生時代の専門分野:建築生産、プロジェクトマネジメント

多様な経験を通じて、建築生産とプロジェクトマネジメントに挑む研究者

ブラジル出身の日系3世であるシガキは、建築生産とプロジェクトマネジメントを専門とする研究者だ。
ブラジル、日本、そしてイギリスでの留学を通じ、異なる文化や技術に触れ、それを融合する視点を養った。特に日本での留学はシガキのキャリアに大きな影響を与えた。

「エコカーなどの技術に関心を持っていた自分が、持続可能な技術を考えるうちに建築にたどり着いた」
もともと機械工学を専攻する予定だったが、環境保護と技術の調和を追求する中で、建築がサステナビリティの理想に最も近い分野であることに気づいた。建築分野なら、自らの技術力を活かし、未来に向けた持続可能な都市づくりに貢献できると考えたのだ。

日本の建設業界での技術力の高さと、多様な視点を融合させることで、新たな価値を生み出すというシガキの信念が重なり、建築生産の世界へと進むことを決意した。

サステナビリティと技術革新を追求するシガキの挑戦

2019年に日本へ留学し、日本の建設業界に触れたシガキは、建築分野に身をささげる決心を固めた。

「日本の技術力に触れることで、持続可能な建築の未来が見えてきた」
日本の建築技術がもたらす安全性と品質の高さに強く感銘を受け、「竹中工務店の技術研究所でなら、自分が思い描く新たな価値を創出できる」と確信し、入社を決意したという。

現在、シガキが取り組んでいるのは「プロセス改善」だ。建設現場の複雑なプロセスを最適化し、生産性を向上させるための技術革新を目指している。
「既存のマニュアルやプロセスに従うだけでなく、継続的な改善を進めることで、さらなる価値を引き出せる余地がある」

理論に基づいた新たなアプローチを現場で試行する中で、「面接で『会社のニーズに合えば、新しい挑戦ができる』と言われたことが、自分の挑戦を後押ししてくれた」とシガキは語る。

異分野の技術を組み合わせ、イノベーションを生む

シガキは「新しいことに挑戦する」ことを信条としている。
「異なる分野の技術を組み合わせることで、新しい価値を生み出せる。それが自分の研究の醍醐味だ」

シガキが注力しているのは、トヨタ生産方式など製造業で培われたマネジメント手法を、建設現場に適用することだ。
製造業などで成功している「かんばん方式」「原価企画」といった手法を、複雑な建設現場でどう活用できるかを検討し、「理論を実践に近づけ、現場で試行する準備を進めている」という。

多様な分野の技術を融合し、現場に即した解決策を見出すために、シガキは常に新しいアイデアを追求している。

未来を見据えた挑戦と、広がるイノベーションの輪

シガキのビジョンは、日本の建築の高い品質と安全性を維持しつつ、働く人々が無理なく楽しめる環境を作ることだ。
「日本の建築は素晴らしい。そしてそれを作る人たちの働き方も、これまで以上に魅力的にすることを新しい技術と仕組みで実現したい」とシガキは語る。

シガキが目指しているのは、単なる技術革新ではなく、働き方そのものに変革をもたらすことだ。
留学や海外での仕事を通じ、多様な文化や技術に触れた経験を持つシガキは、「適応力こそが自分の人生を貫くテーマです」と述べる。
異なる分野や文化をつなぎ合わせ、新しい価値を生み出すことで、働き方と建築の未来に革新をもたらしたいと強く確信している。

シガキはまた、年齢や年次に関係なく、フラットな立場で支え合える職場環境を作り上げることを目標にしている。「多様性を受け入れ、互いに助け合い、尊重し合う環境があれば、自然とイノベーションが生まれる」と語るシガキの描く未来は、無理なく笑顔で働ける社会だ。
そのビジョンは、シガキの研究とともに力強く広がり、建築と働き方の新たな未来を照らしていく。

2024年9月に行ったインタビューを元に執筆しています。部門名は取材当時(2024年9月)のものです。

プロフィール

シガキ ジェフェルソン

  • 技術研究所
  • 未来・先端研究部
  • 研究主任
  • 博士(工学)

多様な能力と経験を持つ人々を繋ぐ架け橋となることで、新しい出会いとイノベーションを生み出すことを目指している。

専門分野

  • 構工法計画
  • 建築システム設計
  • プロセス改善
  • リーンコンストラクション
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竹中技術研究所研究員クローズアップ