水草の生息域外保全技術
地域の遺伝情報を保持したその土地に土着の水草(水生植物)を維持・保全し、希少な生態系の保全、および地域の豊かな水環境保全に貢献します。
技術の概要
水草には、多様で複雑な水中環境を作り出し、トンボなどの水生昆虫をはじめとしたさまざまな生きものの住み処となるだけでなく、底泥の巻き上げ防止にも機能し、豊かな水辺環境を創り出す役割があります。
しかし、湖沼の干拓や湖岸堤の建設、水質汚濁、水田の管理密度低下などにより、日本に分布する水草は、その40%が絶滅に瀕しているとされています。また、自然や身近な生態系について親しみ、学ぶ機会が喪失されていく中では、企業、市民や自治体の垣根を超えた活動が求められています。
繁茂する水草(ガシャモク)
水質維持のための水処理設備
従業員と家族参加による維持・保全活動
当社では地域に根付く水草に注目し、その保全技術の開発に取り組んでいます。
印旛沼流域に位置する調の森 SHI-RA-BE
では、多様な生態系が育まれていた戦後の印旛沼の生態系を再現するため、千葉県立中央博物館にご協力いただき、かつて印旛沼に生息していた土着の株を埋土種子から復活させた水草の生息域外保全を実践しています。
生息域外保全とは、本来生息する環境が、人為的あるいは自然由来等の何らかの理由で生存が脅かされ、その原因を取り除くことが直ぐには困難な場合に、安全な環境で生き物を育てて増やす取り組みのことを言います。
いきもののにぎわいある水景づくり
地域に根ざした水景の提案を通して、生物多様性保全、修景から、自然体験の創出、コミュニケーションの場の形成まで、様々な社会課題の解決を目指します。