養蜂の取り組み

養蜂の取り組み

植物の花粉を媒介するミツバチは、農業生産や植物の種の維持にも欠かせない存在です。地域の生態系へ貢献する側面だけでなく、環境教育やコミュニケーションツールとしての側面にも注目し、養蜂を通じた自然共生社会の実現を目指します。

取り組みの概要

ミツバチは人に蜂蜜という恵みを提供してくれるだけでなく、ミツバチを含む訪花昆虫が花粉を媒介することが世界の農作物の生産を支え、絶滅危惧植物の種の維持にも貢献していると言われています。
さらに近年、大都市の屋上などに巣箱を置いて蜂蜜を採取する都市養蜂が注目されています。その背景には、養蜂が都市の自然に貢献するだけでなく、収穫した蜂蜜を活用してまちづくりや地域活性化につなげる活動や、化学物質の少ない安全な都市環境について考えを深める環境教育、ワークショップ等を通したコミュニケーションにより、職場や地域の人同士のつながりを促進する可能性を秘めていることが挙げられます。

“花粉団子”を足につけたセイヨウミツバチ

“花粉団子”を足につけたセイヨウミツバチ

ミツバチの生態を学ぶ環境教育

ミツバチの生態を学ぶ環境教育

社内コミュニケーションの促進を目的としたワークショップの実施

社内コミュニケーションの促進を目的としたワークショップの実施

調の森SHI-RA-BEでは、従業員やその家族を対象にした養蜂体験ワークショップを開催したほか、都市養蜂に取り組むお客様との交流や、日本酒メーカーとの協業によりオリジナルの「はちみつどぶろく2019」づくりなどを行いました。

従業員家族を対象にした養蜂体験ワークショップ

従業員家族を対象にした
養蜂体験ワークショップ

竹中技術研究所産の蜂蜜左は7月、右は9月に採集したもの

竹中技術研究所産の蜂蜜
左は7月、右は9月に採集したもの

「はちみつどぶろく2019」と社内の日本酒まちづくりチーム

「はちみつどぶろく2019」と
社内の日本酒まちづくりチーム

養蜂は、ミツバチの送粉によって生態系を支える機能を担いながら、人にも多様な恵みを提供することができます。都市養蜂は、生物多様性の保全と持続可能な利用の意義を都市生活者に分かりやすく伝え、環境リテラシーを高めることのできる手段であり、まちづくりやコミュニティ醸成にも有効であることを実感しています。調の森SHI-RA-BEの養蜂で得られた知見を、地域の課題解決などに活用し、自然共生社会の実現に貢献していきたいと思います。

5月の巣箱の様子

5月の巣箱の様子

サクラの蕾とセイヨウミツバチ

サクラの蕾とセイヨウミツバチ

ワークショップで採集した蜂蜜

ワークショップで採集した蜂蜜

KEY PERSON

木村 文
技術研究所  自然・生態環境部
緑化生態環境グループ
【専門分野】生物学、行動分子生理学、防虫エンジニアリング
当社の「3代目 虫の専門家」として、建築の分野から防虫の研究と自然共生に関する研究を行っています。研究員自らハチの世話をしながら、研究のタネを探しています。2019年には約30㎏の蜂蜜が採集でき、当社のお客様や、従業員に味わってもらうことができました。
“技研産”蜂蜜を使ったどぶろくづくりでは異分野協業の面白さを感じています。今後も分野の枠にとらわれず、人にも生き物にも魅力のある建築、まちづくりに貢献していきます。
木村 文 技術研究所 自然・生態環境部 緑化生態環境グループ