環境DNA分析による
トンボ類のモニタリング
水域・陸域両方の自然の豊かさの指標生物であるトンボ目に着目し、 環境DNAを用いたモニタリング調査を行うことで、地域の生物多様性保全に貢献する緑地・水景計画を支援します。
- #Ecology
- #Technology
- #Education
技術の概要
環境省による自然共生サイト認定制度設立やTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに沿った情報開示などを契機として、民間企業でも生態系モニタリングへの取り組みが加速しています。トンボは、水域・陸域両方の自然の指標生物ですが、従来のトンボの生態調査(幼虫や羽化殻の採集)の正しい評価には高度な専門性が必要であるなどの課題がありました。環境DNA分析は、簡便かつ調査者によらず詳細に生物の痕跡発見ができる特長があり、当社は環境DNA分析を用いたトンボの調査を国立環境研究所との共同研究により実施しています。
環境DNAでのトンボ調査の概念図
採水の様子
調の森 SHI-RA-BEではトンボの調査を3年にわたり実施し、環境DNA(池の水に含まれる抜け殻、糞、鱗など生き物の成分から取り出したDNA)により16種類、従来の生態調査では11~13種類のトンボの種を同定しました。この中には千葉県のレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物のリスト)に掲載されている種も含まれ、調の森 SHI-RA-BEが貴重なトンボの新たなすみかとなっていることが確認されました。
今後も環境DNAを用いて継続していきもの調査を行うとともに、得られた結果を地域の豊かな水域・陸域両方の環境保全に貢献する緑地・水景の計画と整備に展開していきます。
KEY PERSON
山崎 祐ニ
技術研究所
環境・社会研究部
地球環境グループ
環境・社会研究部
地球環境グループ
【専門分野】環境化学・遺伝子工学・衛生工学
生物・化学の専門性を活かして、DNAをはじめとする遺伝子工学的手法によって緑地や水景の質的評価を行うことを目的に研究を行っています。
最先端の手法を積極的に取り入れて自然環境の価値を多面的に評価してゆくことで、当社が関わるまちづくりにおいて水環境・生態系保全に貢献してゆきたいと思います。
生物・化学の専門性を活かして、DNAをはじめとする遺伝子工学的手法によって緑地や水景の質的評価を行うことを目的に研究を行っています。
最先端の手法を積極的に取り入れて自然環境の価値を多面的に評価してゆくことで、当社が関わるまちづくりにおいて水環境・生態系保全に貢献してゆきたいと思います。