IPMに基づく緑地の維持管理
IPM(Integrated Pest Management:総合的病害虫・雑草管理)とは、従来の方法と比較して農薬や化学肥料の使用を最小限に抑え、物理的・化学的・生物的防除等を組み合わせた予防・監視・防除を行い、被害を最小限に抑える総合的な病害虫・雑草管理の手法です。人といきものが共生する環境を創出していくための技術として、近年農業分野だけでなく建物外構の維持管理にも取り入れられています。
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技術の概要
生物多様性の保全や人の健康への影響を最小限に抑える観点から、IPMに基づいた植栽の維持管理が注目されています。
IPMの具体的な手法の例として、従来の「農薬の予防散布」の代替として定期的な巡回監視、被害発生部位の部分的な除去、伝統的な害虫防除方法の採用(冬季におけるコモ巻き等)、フェロモントラップを使った害虫の捕獲を行うなどがあり、また従来の「化学肥料の使用」の代替として敷地内で発生した剪定枝・落葉・刈草などを原料にした腐葉土や堆肥を使う、除草剤の代替としてに草刈ロボットを活用する等の方法があります。
被害発生部位の処置イメージ
フェロモントラップ
草刈を自動で行うロボットの活用
調の森では、IPMに基づいた維持管理の手引きを作成し活用しています。具体的な管理手法や管理スケジュールに加え、病害虫の発生予想時期や植栽された植物の花暦、農薬等を使用する際の判断基準や注意事項等を細かに記載し、緑地の維持管理会社と共有することでIPM管理の実現を図っています。これらの取り組みで得られた知見を様々なプロジェクトに展開し、人といきものが共生する緑地づくりを目指します。
発生が予想される病虫害のリスト(抜粋)
調の森に設置したたい肥箱(コンポスター)
左:落ち葉 右:たい肥箱で分解された腐葉土