地下空洞設置を想定した場合の施設イメージ
袋培養技術(キリン中央研究所提供)
宇宙空間での持続的な長期滞在に向けた、病虫害フリーで緊急時バックアップも可能な農場システムで、JAXA、キリンホールディングス、千葉大学、東京理科大学と共同研究開発しました。
「袋培養技術」を用い、「高クリーン度・低圧環境」で栽培することで、植物病原菌や害虫の侵入を防ぎ、需要に応じて新鮮な食料を供給できます。近い将来訪れる“月居住”や“火星居住”における滞在施設への適用を目指しています。
宇宙農場システムの成果を踏まえ、当社は共同研究チームにより、世界初となる宇宙での袋型培養槽技術の実証実験を行いました。
2021年に国際宇宙ステーション「きぼう」の日本実験棟内で、密閉した小型の袋内で培養液を用いたレタス栽培を実施し、微小重力や閉鎖環境下での栽培方式の優位性を確認しました。
この袋型培養槽技術により、一度に大量の葉菜類を栽培することはもちろん、ウイルスフリーな苗を育成することで、宇宙での長期滞在をサポートします。
レタス収穫時の星出宇宙飛行士からのメッセージ動画
小島 倫直Kojima Michinao
技術本部 技術プロデュース部
大地に根差した植物や緑化技術の研究をしたい、と思って建設会社に入社しましたが、まさか宇宙に関わる研究開発に携わるとは思ってもいませんでした。地球だろうと宇宙だろうと、人の生活にとって植物は不可欠なものであると、改めて気づかされます。
将来宇宙に向かい、様々な挑戦をする人たちの日常に緑を届ける一助となれば、そう思って研究開発に取り組んでいます。