Interview 10
持続可能な建築プロジェクトを
徐 天舒
2018年入社 創造理工研究科 建築学専攻修了厳しい環境に適した設計を
私は中国出身で、真冬には気温がマイナス30度にもなる、寒さの厳しい地域に住んでいました。子どもの頃から抱いていた夢は、そんな環境に適した快適でエネルギー効率の高い建物を設計することです。就職活動中、竹中工務店が環境設計部門を新設するとの情報を得て、ここでなら夢を実現できると確信し入社を決意しました。
エネルギー性能や
私の仕事は、環境性能の高い建物を設計し評価することです。具体的には、環境解析ツールを用いて建物や都市の環境に関するシミュレーションを行っています。このプロセスでデザイナーやエンジニアなどの設計チームと連携。デザインの最適化や調整を進めます。
また、サスティナビリティの観点から、建築形態や仕様、設備システムなどが快適性やエネルギー消費性能、総合的な環境性能にどのように影響を与えるかを予測評価します。最終的に建築主に環境に関する提案を伝え、プロジェクトの持続可能な方向性を説明するのですが、竣工作品の中で目には見えない環境を肌で感じることができたとき、この仕事のやりがいを感じます。
居住者が風を楽しんでいる
東京23区内に建つマンションの自然通風計画を担当しました。周囲の建物が自然換気性能に影響を及ぼすことが予想されたため、数値流体力学(CFD解析)の手法を用いて隣接する敷地も含めた中庭の風の出入りを解析しました。一度の解析ですぐに求める結果が得られるわけではありません。何度もシミュレーションを繰り返しました。
居住者の生活スタイルをイメージしながら、家の中を流れる風の通り道を計画し、適切な位置、適切なサイズの開口部を設計します。竣工した建物の中で居住者がくつろぎ、風を楽しんでいる様子を見る機会があり、自分の思いが具現化された喜びと達成感を存分に味わいました。
環境への意識向上に貢献する
今後も環境設計の専門家として、環境への配慮と革新的なデザインを融合させた、持続可能な建築プロジェクトを積極的に推進していきたいと考えています。地球環境への負荷を抑え、エネルギー効率の高い建物を建築することは、日本だけではなく全世界的な課題です。新たなアイデアやテクノロジーを取り入れつつ、持続可能なデザインの普及と啓発に努め、地域社会や産業界における環境への意識向上に貢献することが、私が目指す未来の姿です。
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私の好きな竹中作品
あべのハルカス
地球にやさしい環境技術を採用したあべのハルカスは、自然エネルギー・未利用エネルギーを上手に活用し、快適性の向上と省エネルギーの両立を実現しています。超高層ビルとしての存在感はもちろん、その洗練された建築美に魅了されます。また、美術館が併設されていているのも、アート好きの私にとってうれしいポイントです。
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OFFの過ごし方
雪国出身というのもあるのですが、冬になると長野県や新潟県に出かけてスキーを楽しんでいます。また、料理が趣味で、朝早くから市場へ行って新鮮な食材を手に入れ、麻婆豆腐や餃子のほか、オリジナルレシピの料理を作り、それを友人に試食してもらうことも。食事を共にすれば、大好きな人たちとの絆もより深まります。