Interview 13
研究開発の道を極め、
金澤 和寿美
2019年入社 農学研究科修了研究した技術が
大学院では木構造の研究をしていました。ゼネコンへの入社を決めたのは、自身が研究した技術が実際の建物に使われ、作品として世に残るという点に魅力を感じたからです。耐火集成木材・燃エンウッドに代表されるように、竹中工務店は木造の技術開発に積極的で、かなり早い段階から取り組んでいることもあり志望しました。
安心安全な
現在私は木構造の研究開発に携わっています。木構造と一口に言っても、近年は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と組み合わせて利用することが多く、取り扱う材料は多種多様です。今後の建築において安全性を担保できるかどうか、という観点で性能確認を行います。
たとえば壁の強度試験では、実物の半分のサイズの試験体を作り、それを壊して耐震性能を評価しています。予想通りの結果が出るとやはりうれしいですし、その結果が未来の建築につながると感じられます。カーボンニュートラルの実現に向け木構造は間違いなくキーとなる分野であり、より安心安全な木構造の建築を普及させることが私のミッションです。
CLTが壁材に使われた
CLT(Cross Laminated Timber)という、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した木質材料があります。私は学生時代、CLTを壁材として使う研究を行っていたので、実際にそれが建築の中に用いられた竹中工務店設計・施工の作品を見学した際に深い感銘を受けました。
具体的には兵庫県のタクマビル新館(研修センター)に、鉄骨造の架構にCLT耐震壁を組み合わせた、木のぬくもりがふんだんに感じられる空間が広がっていたのです。世の中の注目度の高まりに合わせ、当社でも木構造をアピールする作品が増えています。私が研究開発を行う技術が採用されたら、この上ない感動を得られるだろうと確信しています。
幅広い視点を持った
今後も研究開発を主とし、木構造分野のエキスパートを目指していきます。中高層建築における木質材料の取り扱いはまだまだ事例が少なく、調達から設計、施工、メンテナンスまで、さまざまなフェーズで課題が山積しています。しかし裏を返せば、各フェーズに関わる機会のある竹中工務店だからこそできることがあるはずです。
たとえば部材を作る際、まずは木を伐採し、丸太の状態から必要な箇所を切り取りますが、材木店とタッグを組んで部材開発を行うことにより、廃材を極力出さない工法や工程を実現できるかもしれません。部材を作る前段階の林業、さらには建築後の解体、資源循環など、幅広い視点を持った研究者になりたいと思っています。
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私の好きな竹中作品
大阪木材仲買会館
やはり私は、木のぬくもりが感じられる作品が好きです。たとえば大阪木材仲買会館には、耐火集成木材・燃エンウッドとともに、建物の外側と内側、あらゆる場所に無垢の木材が使用されていて、都心の中で森を感じることができます。そのほか、竹中大工道具館や警固竹友寮なども“木の竹中”を体現している作品だと思います。
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OFFの過ごし方
社会人になってから茶道を習い始めました。同時に着付けも練習し、今ではお茶の稽古の日だけではなく、美術館巡りなど普段の外出の際にも着物を着るようになりました。また、昔から旅行が好きで、連休や長期休暇の際には友人と計画を立てるのですが、最近行って良かったのは、古いまち並みが残る岐阜県高山市です。