-天井材の地震対策-
近年の大規模な地震では、柱・梁等の構造体の損傷だけでなく、天井・間仕切り壁・家具・設備機器等の非構造部材の被害も多発しています。
特に天井材の脱落は、死傷者が発生したり、建物が継続利用できなくなった事例が報告されています。その教訓を基に、当社は天井材の破損・脱落防止対策に取り組んでいます。
様々な対策技術
音響性能・コスト削減・工期短縮に配慮した技術、改修工事中に施設の継続利用が可能な構法など、天井を破損・脱落させないだけに留まらない様々な技術があります。
タフティングサポート構法
既存天井をワイヤーで吊った専用金物で補強します。足場が不要のため、改修中も施設の継続利用が可能です。
関連リリース
Lite-Safe(ライト・セーフ)
構成部材を軽量化(2㎏/m2以下)。特定天井※と比べて工期とコストを抑えます。
関連リリース
アジャストソエル
特定天井※は、斜め部材を設置して地震の揺れを抑える必要があります。しかし、施工の手間が増えるとともに、設備配管・ダクト類のスペースが減少し、設置が困難になるという課題があります。
アジャストソエル(㈱桐井製作所との共同開発)は、天井鉄骨下地のブドウ棚に直付け金物を介して天井下地を設置します。吊り天井とならないため「特定天井に係る技術基準」の制約を受けることなく、かつ耐震性を向上させることが可能です。
天井下地となるブドウ棚鉄骨に直付け金物を引っ掛けて野縁を支持することで、吊りボルトを介さずに天井下地を構成することができます。直付け金物は最大15mmのレベル調整が可能で、鉄骨下地の精度誤差を吸収します。レベル調整後に固定ビスを打ち込むことでブドウ棚鉄骨に固定し、高い耐震性を有する天井とすることができます。
※特定天井:日常的に人が利用する場所の吊り天井で高さ6m超、面積200㎡超、質量2kg/㎡超のもの
劇場・ホール等の天井の耐震化
室内の音響性能や静けさを要求される劇場・ホール等の天井は、一般用途の天井より重く複雑な形状となり、耐震性の確保には高度な専門性が要求されます。当社は、複雑な形状の音楽ホール天井を再現した原寸大の試験体に地震の揺れを加え、必要な強度を確認する実験を実施しました。