-免震構造-
免震構造は水平方向に柔らかく変形する積層ゴム支承やすべり支承などのアイソレータを建物の基礎部に設置し、建物を地盤から絶縁します。建物に入力した地震エネルギーは、アイソレータに併設するダンパーにより吸収し、建物の揺れを低減します。
耐震構造と比べ揺れの激しさが劇的に低減されるため、構造体の損傷を防ぐだけでなく、建物の中にいる人に安心を与え、地震後も建物機能を維持することが可能となります。
関連ソリューション
大型積層ゴムの大地震時性能
免震建物に用いる積層ゴムは、大地震の動きを模した動的実験によって性能を確認することがとても重要です。
当社は、2007年から複数回にわたり、超高層建物に用いる直径1.3mの大型積層ゴムに所定の鉛直荷重を加えた上で、長周期地震動をはじめ様々な地震波を水平2方向に実速度で入力し、大地震時の挙動や安全性を確認しました。当時、日本国内にはこうした実験を行う試験装置がなく、アメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)所有の世界最大級の試験装置を使用しました。
先駆的な本取り組みは日本免震構造協会から高い評価を頂き、2010年度の技術賞<特別賞>を受賞しています。
実際に使用している積層ゴム支承の経年変化調査
積層ゴム支承の主要材料は輪ゴムにも使われる天然ゴム、時とともに硬く脆くなり切れてしまわないのでしょうか。 当社では1987年に竣工した当社初の免震建物『船橋竹友寮』で、実際に使い続けている積層ゴムを約10年毎に取り出して調査しています。
取り出した積層ゴムは製造時と同じ試験を行って性能の経年変化を調査した後、切断して内部ゴムの物性調査を行っています。1996年、2008年、2016年の調査では、それぞれ10年、22年、30年経った積層ゴムの性能に大きな変化がなく、ゴムがほとんど劣化していないことを確認しました。
ダブル免震
建物基礎部の免震層に加え、建物用途が切り替わるセットバック階などにもう1つ免震層を設けることで、建物により高い免震性能を与える技術です。
免震層の変形を2か所に分散させることで長周期地震などの巨大地震に対しても耐震安全性を確保するとともに、超高層建物で問題となる高層階のむち振り現象を抑え、さらにはセットバックによるねじれ変形の影響を低減することが可能です。
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超高層免震技術
超高層免震は当社が先鞭を付けた技術の1つです。2000年竣工の「パークシティ杉並和田」を皮切りに、これまでに数多くの住宅やオフィスを手掛けてきました。
超高層免震は免震支承の引抜き対策、風揺れ対策などに高い設計力・技術力が必要であり、当社がこれまでに培ってきたノウハウが有効に活かされています。
また1990年代から30年以上に渡り、当社独自の免震部材の開発も行っています。