既存建物の耐震性を格段に向上-免震・制振改修-
Solution
既存建物の耐震性を格段に向上
-免震・制振改修-
耐震性の低い既存建物を免震・制振技術でリニューアル

免震改修は既存建物の基礎部または中間部に新たに免震層を設け、建物の耐震安全性を飛躍的に高めます。建物の地震揺れを著しく低減することができるため、上部構造の補強をほとんどすることなく高いレベルの耐震性能を確保することが可能です。
制振改修は既存建物の柱・梁で囲まれたフレームなどに制振ダンパーを設置します。建物に入力する地震エネルギーを制振ダンパーが効率的に吸収し、建物の架構に作用する地震力を低減します。

免震改修のイメージ
免震改修のイメージ
制振改修のイメージ

基礎免震改修

基礎免震改修は既存建物直下に免震層を構築します。エーザイ筑波研究所東棟」は、1981年の建築基準法改正(いわゆる新耐震基準)後に建築されており、耐震補強が必要な建物ではありませんでした。しかしながら、お客様の意向として、大地震時に薬品や機器の転倒・落下などから研究者を守り、地震後も研究環境を維持することを狙いとして、今回免震改修工事を実施することになりました。
本建物では、建物内の工事を発生させずに、お客様が建物を使用しながら工事ができる居ながら免震改修を実施しました。

免震改修の流れ
免震改修の流れ
掘削状況
掘削状況
免震装置の設置状況
免震装置の設置状況

中間階免震改修

中間階免震改修では特定の階を免震層に改修します。建物の中間階に免震層を設けるため、敷地にゆとりがない場合でも対応可能です。築約40年の「江東区庁舎」(1973年竣工)は、2009年に実施した耐震診断で耐震性の不足が判明しました。区庁舎は、震災時に江東区の災害対策本部が設置されるなど災害時には中核的な役割を担います。庁舎利用者などの人命を守り、庁舎の行政機能を維持するため、工事中でも通常通りの業務を行うことが可能な「居ながらできる®中間階免震改修工法」を採用しました。

地下1階柱頭部の中間階免震
地下1階柱頭部の中間階免震
免震装置プレロード工法
免震装置プレロード工法

関連ソリューション

TMDによる制振改修

新宿野村ビルでは既存超高層建物の最上階にTMD(Tuned Mass Damper)を設置し、長周期地震時の揺れを低減しています。
2段積層ゴムとリニアスライダーで重りを支持するデュアルTMDを開発し、適用しました。改修工事の範囲が建物頂部に限られ一般階に影響が及ばないことから、テナントが一時立ち退く必要がなく、建物の外観、窓からの眺望への影響も最小限に抑えることができます。

デュアルTMD設置イメージ
デュアルTMD設置イメージ
デュアルTMDの概要
デュアルTMDの概要

外殻フレーム制振補強

大阪豊田ビルでは外壁の外側に制振装置を後付けしました。
改修後も大きな開口部はそのまま確保し、景観に配慮した外観を創出できます。

外殻フレーム制振補強