-TORINIX®-
エア吹出し式の防鳥設備
ハトの糞で建物が汚れたり、カラスが建材を破壊したり、鳥害が問題になることがあります。 鳥が止まれないようスパイクを設置するなどの対策はあるものの、建物の美観を損ねる、鳥を傷つける可能性があるなどの課題がありました。
TORINIX(トリニックス)は、屋上の外周部に設置する技術で、止まろうとする鳥をエア吹出しの刺激や音などで驚かして追い払う、まったく新しい防鳥技術です。避雷機能を有するためコストダウンを図ることができるほか、建物の美観を損ないません。建物と生きものが共生できる技術なのです。
技術の特徴
鳥害から建物を守るには、鳥が好んでとまる屋上外周部の対策が効果的です。TORINIXは、センサで鳥の飛来を検知すると、屋上外周部の配管に一定間隔で設けられた小さな穴から圧縮空気を出して、鳥を追い払います。TORINIXは、エア吹出し管および充填チューブ、電磁弁、ベビーコンプレッサー、センサー等から構成されます。
TORINIXの他の技術には無い特徴としては、以下の3点です。
- よく用いられる粘着性の強い薬剤や鋭利な刺激物などを使用しておらず、害鳥を傷つけることなくかつ高い防鳥性能を発揮する。
- 避雷機能を有することから、省コストである。
- 地上から見上げた際に装置が見えず、建物の見栄えを損なわない。
適用事例と防鳥効果の長期検証
日新化工株式会社エイコウ製菓東金工場に導入し長期的な防鳥効果の検証も行っています。約2年間、動画撮影やセンサー稼働データを取得し長期的に効果の検証を行ったところ、ハトやカラスの飛来を検知したケースでは100%忌避することに成功しました。また1年目と2年目の飛来頻度を比較したところ、2年目の月あたりの建物への飛来頻度の方が、1年目よりも約75%減少しており、TORINIXの長期的な忌避効果が示唆されています。
今後の予定
本技術は建物の鳥害の予防技術として、あるいは鳥害発生後の事後対策として、建物の種類を問わず導入可能です。鳥を傷つけず建物意匠性も損なわないという特性から、今後は屋上外周部だけでなく、駅舎内や建物併設の駐車場内部といった半屋外スペースにおけるハトやカラスの止まり対策としても導入を進めていく予定です。
関連リリース
2019.09.09 ハト・カラスを対象とするエア吹出し式の防鳥設備「TORINIX™」を開発
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