Solution
南極の過酷な環境に対応する建設技術
-CFRP軽量構造-
-CFRP軽量構造-
極寒の地、南極における基地建設
国立極地研究所(極地研)は、南極地域観測隊の活動などを通じ、半世紀以上にわたって地球環境等に関する先端的な研究に取り組んでいます。その取り組みの1つとして、過去の気候変動を探るために世界最古のアイスコア※1 取得を目指しています。
当社はアイスコア掘削場の建設に技術協力しています。極地研との共同研究により、南極の厳しい環境に耐えること、過酷な環境での輸送と組み立てが可能な軽さを備えること、を踏まえてCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics、炭素繊維複合材料)を活用した構造体の性能評価・設計・製造を行い、実際にドームふじ観測拠点Ⅱで組み立てを行いました。
- 当社は、第1次観測隊用の南極観測用施設において1955年の計画段階から参画。
未知の環境と格闘しながら南極の昭和基地建設に貢献しました。
また、その研究開発成果は次代の建築工業生産化への第一歩となりました。
CFRPを活用した軽量建築
航空・宇宙・自動車産業での利用が進んでいるCFRPは、炭素繊維を強化材に用いた繊維強化プラスチックです。一般炭素鋼(鉄)と比べて重量が5分の1と軽量かつ5倍の引張強度を有します。
アイスコア掘削場の屋根架構にCFRPを用いることで、従来の鉄骨屋根と比較して約40%の重量を削減することができます。これにより、現地で組立を行う観測隊員の負担を軽減するとともに、部材の輸送・組立にかかるエネルギーを大幅に削減することが期待されます。また、これらの効果は脱炭素社会の実現にも寄与すると考えられます。
今後も当社は、CFRPの活用検討を継続し、極地に建設する建物、ひいては一般建築への利用への適用を目指します。