Solution
鉛フリーの
放射線遮蔽ボード
-RadBoard®-X-
人にも環境にもやさしい、鉛フリーの放射線遮蔽ボード

医療の高度化が進む昨今、放射線を利用した治療や診断は急速に進歩しています。医療施設では、放射線診療室などの増設や診療用放射線装置の新規導入、入れ替えが進み、新築・改修ともにフレキシブルに対応できる遮蔽材のニーズが高まっています。
放射線診療室などの遮蔽材には、一般的に鉛が使われています。しかし鉛は人体にとって有害な上、製造時に排出されるCO₂が多く環境負荷が高い材料です。世界でESG投資が拡大し、企業のSDGs意識が高まっている今、人体の安全と環境保護の両面から、鉛に代わる放射線遮蔽材が求められています。

「RadBoard®-X」は、鉛を使わない(鉛フリー)放射線遮蔽ボードです。人にも環境にもやさしい天然の無機材料だけで構成されており、主にγ線、X線に対して優れた遮蔽性能を発揮します。

RadBoard®-Xの特長

放射線遮蔽ボード
施工状況

素材とメリット

芯材:せっこう+重晶石(硫酸バリウム)
芯材にはガラス繊維を混ぜています。さらに表裏両面のガラス繊維不織布層によって、一般のせっこうボードより割れにくい構造になっています。不燃材料ですので、幅広い内装制限(防火のための規定)に対応できます。

鉛が使われている遮蔽ボードはリサイクル時に分別処理が必要ですが、鉛フリーのRadBoard®-Xはその必要がありません。一般のせっこうボードと同じリサイクル工程に載せることができ、処理コストを抑えることが可能です。また製造時も、鉛に比べてCO₂排出量を大幅に削減。環境に配慮した遮蔽ボードです。

有効に活用できる施設

γ線、X線遮蔽が必要となる以下の施設の内装材として使えます。
① 医療施設(X線(一般撮影)、CT、マンモグラフィ、アンギオグラフィー、PET*検査など)
② 放射線治療施設(重粒子線、陽子線、リニアックなど)
③ PET※薬剤製造施設
④ 医療施設以外の放射線利用施設(非破壊検査施設、衛星工場など)

なお、一般の内装工事と同様に乾式施工のため、施設を利用しながらのリニューアル工事にも対応できます。


  • Positron Emission Tomography (陽電子放出断層撮影)

製品仕様

調湿・放射パーソナル空調の概念
 

放射線遮蔽性能

主にγ線、X線に対して優れた遮蔽性能を発揮します。遮蔽性能を表す乾燥密度は1.8 g/cm³以上。鉛1.5 mm基準の性能に対して、1枚(厚さ15.0 mm)で対応でき、空間を有効に活用できます。また、重ね張りによってさらに遮蔽性能を向上させられます。12.5 mmと15 mmの厚さの材料を組み合わせることにより、診察条件や機器仕様に限定されず、幅広い遮蔽仕様に対応が可能です。

適用事例

CTシミュレーション室:山形大学医学部東日本重粒子センター

X線室:新柏クリニック糖尿病みらい

CT室:公道会病院

X線撮影室:医療生協さいたま生活協同組合 ふれあい生協病院

関連リリース

同シリーズとして展開している「放射線遮蔽ブロックRadBlock-X」は、東京電力福島第一原子力発電所新事務本館に採用されました。