柱の少ない大空間の床や躍動感のある跳ね出し床などは構造上揺れやすく、建物使用者にとって不快な振動が生じる場合があります。
床制振用TMD（Tuned Mass Damper）は、そのような居住性に関わる建物の床振動を抑制し、快適で魅力的な空間創りを可能にします。

床制振用TMDの概要

床制振用TMDは、主にマス･ばね･ダンパーで構成されています。人の歩行等によって床が振動すると、マスが逆方向に動作して制振力を発揮します。
床制振用TMDを適用することで、床の振動を1/2～1/3程度に抑制できます。

様々な床制振用TMD

用途に応じて様々な床制振用TMDがあります。
狭い隙間に収納可能な薄型のTMDは、使用中の建物の床にも適用可能です。
本来鉄製のマスをコンクリート製としたTMDは、コストを低く抑えられます。

適用事例

跳ね出し床の揺れ対策（新築）

大スパンの跳ね出し床の揺れ対策として天井の懐に大型のTMDを設置し、躍動感あるデザインを実現しました。

既存建物の床の揺れ対策（リニューアル）

新たな鉄道の開通に伴う既存建物の振動対策として、OAフロアの懐（50mm）に納まる厚さ44mmの薄型TMDを設置しました。

階段の揺れ対策

薄く軽快感のある階段を実現するため、揺れ防止対策に薄型TMDを適用しました。

関連リリース

2012.04.27 「2012年　日本建築学会賞（業績）」受賞～TMDを用いた鉄骨造建物の各種床振動制御技術の開発･普及など評価～