プロジェクトのスタート段階で、お客様を取り巻く事業環境や土地・建物の状況を調査・分析し、お客様と課題やビジョンを共有するためのノウハウです。
建設事業の進め方を知りたい
医療施設の建設や建替時には、様々な与条件を整理しながら手戻りのない適切な手順で計画を進めることが大切です。その手順を整理した上で検討すべき課題を随時提示し、お客様がスムーズにプロジェクトを進められるようサポートします。
病院企画の流れを最初に提示し、すべきことを明確化
建設プロジェクトの最初である企画段階は大きく調査分析・基本構想・基本計画という流れになります。調査分析は、①事業環境、②医療サービス、③施設、④経営管理の4つの視点から行い、抽出された問題点を踏まえた改善の方針に基づいて、続く基本構想・基本計画において実現したい姿、新しい医療施設の規模や建て替えの手順、スケジュールなどを具体化していきます。
経営環境を知りたい
2025年を目標に地域医療構想に基づく医療提供体制の再構築に向けた取り組みが行われており、診療報酬も大きな変化が続くことが想定されます。このような背景のもと医療機関においては、これまで以上に外部環境の変化を意識した事業推進が必要となってきます。
医療政策の動向と要点をわかりやすく整理・発信
医療法改正や診療報酬改訂によって規定される必要諸室や面積、人員基準は、施設種別によって異なります。お客様の置かれている条件に応じてそれらを整理し、さらに対応策をご提案します。
医療政策・診療報酬動向の発信
事業方針策定に重要な医療政策の動向や診療報酬改定に関する最新情報を常に把握し、分かりやすくまとめた上でタイムリーに発信します。その1つとして、制度の動向や先読み、報酬改定の経営への影響など、医療機関にとって特に関心の高いテーマに精通している講師を招いての自社主催・共催の医療セミナーを全国各地で開催しています。
最新の施設基準への対応提案
診療報酬等の改定では、ときに新しい施設種別や施設基準に対する変更が加えられることがあります。地域の状況に応じ適正な医療を提供し続けるためには、このような変更に対し建物や設備を対応させていく必要があります。当社は、事業経営や施設運営へのインパクトなども踏まえながら、改定に伴いハード面で必要な対応策をご提案します。
直近では、2018年4月の第7期介護保険事業計画にて新設された「介護医療院」について、最小限の投資で対応できるよう病棟の改修をご提案し、実現しました。
医療の需要と供給のバランスをエリアごとに分析
外部環境調査に基づいた将来の需給予測は事業計画上の重要な検討項目です。診療圏の人口動態や受療率からの将来の患者数の予測、周辺医療機関との競合・連携状況の分析、地域医療構想を主とする病床機能再編の地域的な動向の把握等を通し、お客様が今後注力していくべき医療サービス領域についての意思決定をサポートします。
疾病ごとの将来患者数予測
お客様の医療圏の人口動態と将来予測および現状の受療率から求められる発生患者数を疾病分類ごとに推計し、周辺地域で今後ニーズが高まる医療サービス領域を可視化します。患者数と増減率の2軸で分析することで、地域で必要となる医療機能をより多面的に検討することができます。
周辺医療機関のマッピング
同じ医療圏にある他の医療機関を、それぞれの規模や特性が分かる形で地図上にプロットし、競合・連携状況や今後の可能性について整理します。これに、エリアや疾病ごとの患者数予測の分布を地図上で照らし合わせることで、将来の患者需要と医療供給の過不足を分析します。
自院の現状を把握したい
今後、医療機関がその地域で果たすべき役割に応えながら安定的・継続的に発展していくためには、中長期的な視点で「これまでの診療機能をどう継続するか」、「地域包括ケアを見据えた診療機能の見直しを行うか」等について、データに基づく定量的な現状把握を通した的確な意思決定が重要となってきます。
診療圏におけるシェア分析
医療圏の想定患者数に対する貴院の集患状況をエリアごとに比較することで現在のポジショニングを明らかにし、今後注力すべき医療サービス領域の検討をサポートします。
DPC分析
DPCデータを活用し、貴院を含めた各医療機関の集患状況を疾病群ごとに見える化します。予測される総患者数を100%とした「潜在件数」と対比させながら医療圏での各医療機関のシェアを明らかにします。これにより、地域での貴院の強み・弱みを把握できます。
集患エリアの分析
貴院の入院・外来患者の居住地を地図上にプロットすることにより、貴院の患者さんがどのエリアから多く来ているか、またエリアごとの発生患者数に対するシェアを視覚的に把握することが可能です。
また、エリアごとの想定総患者数や周辺医療機関の位置関係と重ねて分析することで、貴院の地域でのプレゼンスを確認しながら今後果たしていくべき役割の検討に活用できます。
既存施設の各スペースの稼働分析
施設更新の検討は、現在の病床や外来の稼働状況を把握し目標を再設定する契機ともなります。病院内の様々な部門やスペースについて、現在の稼働状況を患者特性と共に可視化することで運営上の課題を抽出し、新しい施設の構成や規模を検討に役立てられる材料を提供します。
病床稼働分析
現在の病床稼働率を病棟単位や診療科単位で整理した上で、お客様が目標とする患者数や稼働率をもとに、最適な病床配分を算出します。一方で病棟計画は敷地や既存建物によって制約を受けます。病床配分の検討においてはこうした要素も考慮していきます。
外来・診療部門の稼働分析
外来や各種検査室の稼働状況、待合人数の時間ごとの変化などを整理・可視化します。運営上の課題発見や効率化の検討をサポートしつつ、最適な部屋の数や大きさなど建築の計画に関わる条件を検討するためのデータとしてご活用頂けます。
事業の実現性を検証したい
地域やお客様の現状を踏まえ、事業投資を適切な機能と規模で進めることが最も重要です。多岐にわたる機能の中から地域に長く貢献し続けられる組み合わせと規模をお客様とともに考え、建設事業につなげていきます。
持続可能な事業規模・機能の提案
医療施設の機能分化、保健や福祉領域への事業拡大など、お客様のニーズや既存のサービスの充足状況、地域の他の機関との連携、制度上の制約などの諸条件を考慮して、最適な事業を提案します。
多岐にわたる保健・医療・福祉サービスメニューの中から地域のニーズに沿った事業を提案
医療や福祉のサービスは非常に多様化しており、今後も政策や制度によって変化していくことが予想されます。数あるサービスの中でのお客様の位置づけを明らかにした上で、医療機能の機能分化に伴う専門特化、差別化戦略から、保健や福祉、高齢者住宅などの事業領域拡大による多角化といった経営戦略を検討することが有用と考えます。当社は、こうした戦略検討上の課題整理や次に設備投資すべき領域にかかわる方針づくりを支援します。
適正な建設投資計画の策定と資金調達の支援
長く地域医療に貢献していくためには、施設の経営が健全であり続けなければなりません。過大な建設投資は事業の持続可能性の足かせとなるため、事前に事業性の検証を繰り返しながら適正な建物の規模や内容を決めていく必要があります。
事業収支シミュレーション
事業内容と建築計画の両面から収支モデルを策定し、個々の特徴に応じた前提条件を入れ込んだ個別のシミュレーションを提供致します。計画を具体化していくプロセスの要所で何度も条件を見直し、事業性の検証と計画へのフィードバック、という一連のプロセスにより、適正な投資規模や資金計画を見極めていきます。
金融機関への融資申し込み支援
さまざまな事業スキームや資金調達方法の調査検討を行います。また福祉医療機構や各種金融機関からの融資獲得に必要な資料の作成をサポートします。
補助金・交付金の申請支援
お客様の建設投資に活用可能な各種交付金の最新情報を提供するとともに、建設工事の進捗と関わる交付金申請についてはその手続きを支援します。