海城学園2号館
同一用途での機能向上
- 竹中独自の上空増築新構造システム(TRSS工法)により居ながらにして既存校舎の屋上に教室を増築
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工事内容決定までの経緯
海軍予備校を起源に持つ、伝統ある中・高一貫の進学校、校舎の建替検討に際し、キャンパス内にスペースの余裕がないため、「グラウンドを減らさず」「プレハブの仮校舎を使わず」実施したい、また、学業の妨げにならないよう工事を進めてほしい、との要望がありました。
既存校舎の上部に増築するというアイデアを技術的に検討していく過程で、原案に対して工期を半年、費用を4割程度削減できる当工法の採用となりました。
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改修工事内容
竹中の“上空増築新構造システム(TRSS工法)” ※特許出願中
- RC4階建の既存校舎の柱・梁に沿わせる形で一体化させたRC造の柱・梁を増設、その柱上にS造の増築部分(3層24教室)を載せ、既存部分に荷重を負担させない構造とした。
- 既存と増築部分の間には免震装置を挟み、増築部分の地震力を吸収、既存建物への地震入力を小さくした。
- 補強は外部の増設フレームのみで内部には不要。また、既存教室の窓からの眺望にもほとんど影響しない。
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居ながらできる増築工事
- 安全・騒音・振動の観点から個々の工事作業を分析した。騒音の発生する既存部分の改修(一部外装解体等)は春休み中に、既存校舎上空での揚重作業となる鉄骨建て方は安全に配慮し夏休み中に実施した。
- 毎日の作業についても、授業の時間割を考慮した綿密な工程管理を行い、「授業最優先」の意識のもと全作業員が時間割を携帯し、合間の休み時間は構内の移動や車輌の出入りを禁止した。
- 生徒/教職員/PTAに対する説明会、見学会を実施し、綿密なコミュニケーションを図った。
プロジェクト概要 |
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用途 | 校舎 |
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所在地 | 東京都新宿区 |
竣工 | 1989年 |
改修 | 2006年3月 |
工期 | 12ヶ月 |
建築主 | 海城学園 |
設計 | 前川建築設計事務所・横山建築構造設計事務所・竹中工務店による共同設計 |
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施工 | 竹中工務店 |
敷地面積 | 21,142㎡ |
建築面積 | 1,578㎡ |
延床面積 | 9,278㎡ |
構造/規模 | S造(増築部)、RC造(増築部、既存部)/地上8階、塔屋1階 |