不同沈下修正構法
空港建設においては、海域を大規模に埋立て造成し、その人工島に滑走路や空港施設を建設する場合があります。このような軟弱地盤に構造物を建設した場合、長期間にわたって地盤沈下を生じることがあり予めそれを考慮した高度な設計・施工技術が必要です。当社は、軟弱地盤においても構造物の安全性を確保します。
当社は、設計施工一貫体制の下に、保有する多彩な設計・施工技術を背景にして、右図に示す4つの技術をシステム化して、独自の不同沈下修正構法を確立しました。
■システムを構成する4つの技術
①沈下予測技術
②不同沈下低減技術
③不同沈下自動計測技術
④不同沈下修正技術
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①沈下予測技術
長期間わたって生じる沈下は「圧密沈下」と呼ばれ、軟弱な粘性土層の中に含まれる水分が、埋土や建物の荷重によって絞り出されることにより生じる粘性土層の圧縮が主な原因です。
当社はこの圧密沈下量を正確に予測できる数値解析技術を開発しました。
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②不同沈下低減技術
基礎・地盤の不同沈下低減対策として、以下に示すような各種の工法を確立しており、建物の特性に応じて最適な対策技術を設計に盛り込んでいます。
・埋土層を締固める地盤改良工法
・揚水や盛土(プレロード)による粘土層の圧密沈下促進工法
・排土重量と建物重量をバランスさせるフローティング基礎構法等
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③不同沈下自動計測技術
建物の不同沈下量を自動計測するために、2種類の計測方法を確立しています。地盤の性状と建物の特性に応じて最適な方法を採用します。
・レーザー光を光ファイバーで受光する方法
・水盛り管方式により水平度を検知する方法
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④不同沈下修正技術
予測される不同沈下量が設計で対応できない場合や、予期できない不同沈下量に対しては、竣工後に建物を水平に修正する必要があります。
当社のジャッキアップシステムは、建物の基礎と上部構造の間(各柱下)にセットしたジャッキを用いて、施工中あるいは竣工後であっても不同沈下を修正することができます。
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