自分のアイデアをカタチにするプロセスに
設備設計のやりがい感じる

岡田厚太郎|設備設計(大学院創造理工学研究科建築学専攻修了)

2010

入社・新社員研修

2011

東京本店
設計部配属

2012

神宮前タケオキクチビル

自分の仕事を誰かが喜んでくれる感慨深さを知りました。

  • ・アパレルブランド「タケオキクチ」の旗艦店となる建物を担当しました。入社して初めての新築で、緊張感を覚えました。
  • ・お客様の要求、外部デザイナーの要望、近隣住民との関係など、設備設計者は設備技術だけでなく、もっと広い視点と知識が必要なのだと痛感したプロジェクトです。
  • ・構造、設備、見積の担当者が同期で気のおけない反面、若輩者ばかりという不安がありました。けれども諸先輩方から知識や経験を伝授いただき、同期3人で頭を捻ってアイデアを出し合いました。
  • ・プロジェクトはまず、建築・構造・設備の担当者が1枚の白い紙を囲んでスケッチすることから始まりました。デザイン的にもエンジニアリング的にも、どうすれば合理的かをディスカッションする過程に胸が躍りました。
  • ・竣工後、客として設計担当の同期3人でショップを訪問したとき、店員さんが、「この建物は外から中の商品がよく見えるよう全面ガラス張りです。それでも暑くならないような空調設計がされてるんですよ」と客の我々に向かって自慢気に語ってくれました。建物をつくる仕事は、誰かが喜んでくれる仕事なのだということを知りました。

2013

北関東支店
設備部配属

2015

東京本店
見積部配属

神宮前タケオキクチビル

2016

東京本店
設計部配属

2016 - 2022

虎ノ門ヒルズ
レジデンシャルタワー

チームでの設計を学びました。

  • ・作業所、見積部を経て設計部へ戻ると、地下4階、地上54階の大型の超高層住宅の設備設計を担当することになりました。
  • ・お客様の要望は「世界一の高級タワーマンション」。海外デザイナーによる高い意匠性や住宅専有部内のプールなどの高級仕様、LCP(居住継続性能)への対応など、一般的な集合住宅とは全く異なる複雑な要求に向き合いながら、右往左往する日々でした。

虎ノ門ヒルズレジデンシャルタワー

  • ・高い意匠性⇔快適性、高級住宅としてのグレード⇔省エネルギーなどなど、相反する様々な要求に答えることに注力しました。とくにエントランスなどの大空間については、詳細な熱シミュレーションを行い、建築設計者と共に空調吹出口の位置、サイズ、風向を計画的に選定していきました。
    それまで設計した建物の100倍以上の、ひとりでは全容を把握しきれない⼤プロジェクトでした。社内のさまざまな部署の先輩からアドバイスを受け、大規模で複雑な要件の建築を、チームで精度よくつくる方法を学びました。

2017 - 2018

Kudan House

徹底的にこだわり抜いた改修を計画しました。

  • ・「旧山口萬吉邸 kudan house」は、約90年前に建てられた住宅を、ビジネスイノベーション拠点に改修する計画です。内藤多仲(東京タワーの設計者)の設計で、1927年に竣工。登録有形文化財にも指定され、歴史的価値の高い建物です。伝統建築としての保存と、ビジネスイノベーション拠点として使用するための現代的な設備機器導入を両立させる難しい要求がありました。また、元々住宅だったため、荷重の大きな設備機器を追加設置することができないという制約もありました。オリジナルのデザインを残し、いかに快適な室内空間を構築していくかが課題でした。

Kudan house応接室
竣工当時の雰囲気を崩さぬよう、既存照明器具の表層を保存し内部をLED化

Kudan house会議室
天井高さを確保するため、天井には手を加えず、壁面(写真中央)の四隅に空調吹出口を隠す納まり

  • ・設備機器は、元の雰囲気を崩さないよう完全に隠すエリアと、メンテナンスに特化して集約設置するエリアに、メリハリを付けて設置しました。また、ソファの足元のメッシュを空調吹出口に利用するなど、既存の造作家具の形状を利用し、改修の跡が見えない設計に徹底的にこだわりました。
  • ・竣工後、見学に来たある建築史を専門とする大学教授から「この建物は設備がまったく見えないが、それが逆に設備設計者の存在を感じさせる」とコメントいただきました。設計へのこだわりを伝えることができた、たいへん嬉しい体験でした。
  • ・2024年度、BELCA賞(長期に渡って適切な維持保全をしたり、優れた改修建物への表彰)を受賞することが出来ました。また、オフィスとしての利用の他、会員の展示会や雑誌等の撮影場所などに使われているとお聞きしています。自分の携わった建物が、様々な形で多くの人の目に触れ、喜んで頂けることは大きな自信に繋がりました。

2022

長瀬産業新東京本社

自分のアイデアをカタチにしていく設備設計の醍醐味を知りました。

  • ・利用者が自らの働き方に合わせて働く場所を選択するという新しい働き方:ABW(Activity Based Workstyle)を想定した新本社ビルのワークプレイスは、フレキシビリティと快適性の両立をお客様から求められました。大空間となってしまうので既存の空調方式のままでは先方の要求に100%答えられないかもしれないと感じ、新しい微気流空調システムを独自に技術開発しました。
  • ・執務エリアの天井を模擬した原寸モックアップを製作し、気流実験を行って、お客様に体感頂きました。「心地のよい空調を実際に体感できて安心した!」と言って頂くことができ、自信につながりました。自身のアイデアを社内外と共有し、少しずつカタチにする面白さを知りました。

長瀬産業新東京本社

長瀬産業本社ビル気流実験風景
執務者に気流感を感じさせず、効率的に空調空気を満たすよう実験で確認

  • ・設備と構造の取り合い調整をスムーズに行うため、このプロジェクトでは早い段階から3Dモデルを立ち上げました。早い段階から設備のルートと物量を建築・構造設計者と視覚的に共有し、調整すべき箇所を明確にすることで、合理的かつ効果的な構成となりました。

長瀬産業
設計初期段階にモデルを立ち上げ、どこが厳しい納まりになるかを設計・施工関係者と共有

2024 -

オーダーメイドだからこそ、その計画の最適解を追求したいです。

  • ・2024年5月現在、様々な機器を生産・試験する工場の改修工事を担当しています。
  • ・敷地の形状、建物の用途、お客様の使い方など、我々が計画する建物は二つとして同じものが無く、常にオーダーメイドだと思っています。様々な条件の中で、その建物に合う最適解がきっとあると信じています。
  • ・その最適解をPJごとにチーム全員で模索し、今後もよりよい建築をつくっていきたいと思います。