「仕事と育児の両立のために何をするか」を考える
𠮷川理恵|建築設計 (大学院自然科学部デザイン科学修了)
2001
入社・新社員研修
2002
東京本店設計部配属
デザインを含めたものづくりの一から十を求めて入社しました。
- ・身体の延長にある空間と自然環境の両面からデザインを考える建築をめざした学生時代、デザインコンペ受賞時に講評をいただいた建築家の先⽣から、「竹中工務店のような、デザインを含めものづくりの一から十を学べる会社が向いているのでは」と⽰唆をいただき、興味を持ったのが当社を選んだきっかけです。
- ・住宅部⾨に配属後、グループリーダーやベテランの先輩の指導を受けながら、都内の⼩規模な集合住宅の設計に携わりました。実務としては日々⼿探りな状況の中、住戸ごとに異なるエントランスを構え、それぞれが⼾建てのようなプライベート空間を持つ集合住宅を実現しました。
2005
長男出産
2006-2008
東京誠心調理師専門学校
第一子出産後、1年の育休を経て設計部に復帰し、学校の設計を担当しました。
- ・20代の終わりに第一子を出産。同じマンションに住む両親の⽀援を受けながら設計部に復帰し、調理師専⾨学校の設計を竣⼯まで担当しました。都内駅前のコンパクトな敷地の制約の中で、和・洋・中の各分野の先⽣⽅から様々な要望を伺い、相反する条件や課題を解きながら設計を進めました。カラースキームやサインデザインにより、新しい調理師専門学校として若い学⽣の⽅にアピールする空間を提案しました。
- ・出産後初めて育児をしながら設計を担当したプロジェクトで、保育園への迎えの時間制約があり、業務時間の配分には悩みました。子育てに奮闘する中、上司や同僚、家族のサポートを受け、竣⼯を迎えることができました。
2010
次男出産
2011-2013
企画設計グループ
第二⼦の育休後は、川上段階を受け持つ企画設計に取組み、幅広い視野を養いました。
- ・育休復帰後は、企画設計部門を希望しました。設計部の中でも仕事のペースをコントロールしやすく、ワークライフバランスの取れた働き方ができました。
- ・企画・プロポーザル業務において、社内外の様々な関係者間での取りまとめを行い、幅広い視野を持つきっかけとなりました。また、国内外多数のプロジェクトを同時に担当することも多く、業務の中で優先順位を付けながら効率的に取組むことを覚えました。
- ・第一子育休後は仕事と育児の両立について不安がありましたが、第二子の時は経験をもとに余裕ができ、両立のために何をするかを考えました。その一歩として、同じ設計者である夫に、全面的な協力を依頼して家事を分担しました。
2016
こまちルーム
働く女性を支援する取組み「こまちルーム」を企画・設計し、開設することができました。
- ・女性社員からの「体調不良時の休息や、着替え、搾乳できる空間が少ない」という声を受け、東京本店に女性専用のスペース、こまちルームの企画を立案し、⼈事部をはじめとする社内各部署と協業し、開設しました。
- ・出産・育児の経験を活かして産前・育児中を中心とした女性の要望を形にするため、こまちルームの実施設計にも携わりました。執務空間とは異なる女性にやさしい環境の実現に向け、気流を感じさせない輻射空調や調光可能な間接照明など、業務と体調コントロールを両⽴させるためのきめ細かな配慮を設計に盛り込みました。
2013-2019
パシフィコ横浜ノース
(MICE施設)設計室
念願の大規模プロジェクトに参画し、チーム一丸となって国内最大級のコンベンションセンターを実現しました。
- ・横浜市のPFI事業コンペにおいて、MICE施設とホテルの一体開発を提案して受注し、入社時の希望だった大規模プロジェクトを基本設計から担当しました。建築主や施設運営者など、複数関係者と多岐に渡る協議や折衝を行い、事業実施の基本方針立案から詳細な調整までを行いました。大規模プロジェクトならではの組織力を発揮する仕事に関ることができ、非常に貴重な経験となりました。
- ・夫婦共に多忙な状況の中、互いのスケジュールを擦り合わせて⼦供の迎え等を分担し、互いに業務時間にメリハリを付けるワークスタイルになりました。限られた時間の中で⾼効率に仕事を進めるよう、日々優先順位を意識して取組みました。チームメンバーも育児世代が多く、休む場合はお互いに協⼒し、コミュニケーションを密に取りながらプロジェクトを推進しました。
ライフイベントに合わせたワークスタイルで最大のパフォーマンスを発揮したいと思います。
- ・ライフイベントにより仕事の取組みに影響を受けるのは、女性だけでなく男性も同様です。今後は育児に限らず様々なライフイベントに合わせ、ツールや手法を活用しながらワークライフバランスをとり、これまでの経験を活かして最大のパフォーマンスを発揮したいと思います。さらに、個人がそれぞれの個性や能力を生かして活躍できる環境を目指し、周囲の意識改革を進め、後進の道をひらいていきたいと思います。