

メタバースがもたらす新たな価値と人々のつながり
コンピュテーショナルデザイン・BIM|竹中大工道具館
FEATURES01
展示空間をアバターにより体験
— 竹中大工道具館(※1)のメタバース化(※2)を実施 —
兵庫県にある竹中大工道具館は、多種多様な大工道具のほか、木組みや茶室の原寸大模型などを展示しています。この常設展を題材に、デジタル化された展示空間を作成しました。
パノラマ画像と建築の3次元モデル(BIM, Building Information Modeling)を元に、展示内容や説明文までも表示できるデジタル空間を作成しました。館内は選択したアバターをゲームコントローラで操作することで、直感的に自由に動き回ることができます。
実際の空間で学芸員から説明を受けるように空間内の他のキャラクターと会話したり、さらにそこから実際の解説動画を参照したりできます。立体展示物は別途3次元スキャンを行っており、手に取るように細部を眺めることも可能です。これらにより、実際の展示空間とは異なる鑑賞方法を提示することも可能になりました。
コントローラーを使用した空間の散策と、展示物3Dモデルの閲覧
展示物の内部を体験
学芸員にみたてた案内役キャラクターの配置
一般の利用者が直感的に利用できるUIデザイン
FEATURES02
より幅広い鑑賞を可能にする建築空間メタバース
竹中大工道具館のメタバースはアプリケーションとして開発されており、場所や時間を問わず鑑賞できるため、遠隔地の方々にも空間体験を提供できる可能性が広がります。またデジタル空間上では、様々な情報を追加することができるため、より深い学術的な情報へのリンクを提供したり、展示情報を複数言語化したりできることは現実の展示空間にはない利点であるといえます。実際の空間を題材としたメタバースによって現実空間を置き換えるのではなく、むしろ現実空間とデジタル空間が相互に価値を高め合う活用へとつなげてゆくことも可能であると考えられます。
いつでも・どこからでも体験できる
だれでも・何度でも体験できる
FEATURES03
建築空間のメタバース化が
もたらす未来
BIMや3Dスキャン、都市の3次元モデルなどにより現実空間に対応したデジタル空間(ミラーワールド)が広がりを見せています。この空間が私たちの生活にもたらす価値はまさに探索が始まったばかりであり、未知の可能性も多く存在すると考えられます。
建築文化の更なる発展・価値向上に寄与し、人と人とのつながりを創るべく、設計施工作品やレガシー建築や都市空間など幅広い領域を対象に、メタバース技術の活用に取り組んでまいります。
石澤 宰
伊村 達矢
川上 沢馬
園田 哲郎